『 銀行融資の形態について 』 -2024年02月21日号

今回は銀行融資の形態について、お話しさせていただきます。
経営者の方にとっては、そんな当たり前の話を今さら・・・と思われた方がほとんどかと思います。
がしかし私にお付き合いください。

銀行融資の形態には大きく分けて次の4つがあると思います。

【手形割引】

手形割引は商取引において受け取った約束手形を支払期日が到来する前に現金化する事をいいます。
手数料等が必要になりますが、資金繰りを安定させる為に利用されている企業様もあると思います。
現在では手形の電子化も進んでおり、でんさい割引は、でんさい(電子記録債権)を手形割引の様に金融機関に譲渡して支払期日前に現金化する資金調達方法もあります。

【手形貸付】

手形貸付は、期日までに所定の金額を支払うことを約束する有価証券の一種の約束手形を振り出すことでお金を借りる方法のことをいいます。
手形貸付は、基本的に1年以内に返済する短期貸付であり、主につなぎの運転資金等を調達したい場合などに用いられる方法です。

【当座貸越】

当座貸越は、借入限度額(極度額)を設定し、その範囲内で借入と返済を繰り返す融資の方法です。
一旦極度額を設定すると、当座貸越契約期間中は、借入の都度、新規借入の申込手続きを行う必要が無く、資金必要時に極度額の範囲内において借入ができます。

【証書貸付】

証書貸付は、金銭消費貸付契約証書(以下契約書)を差し入れて行う融資の方法です。
契約書には、借入金額、金利、返済期間、返済方法などが記載されており、証書貸付は原則1年以上の長期貸付に利用されることが多いため、審査において返済能力があるかどうかが見られています。

つまり短期的な資金調達なのか?長期的な資金調達なのかによって使い分けてみえるかと思います。
簡単にいえば運転資金と設備資金というイメージかと思います。

しかし・・・?

運転資金は短期? それとも長期?と思われた方はみえませんか?

そう思われるのも当然です。ではどうしたらいいのか?
私は資金繰りの観点から考えれば、経常運転資金は短期借入で調達し、利益を返済に充当せずにキャッシュを積み上げるのがいいかと思います。
更なる売上拡大の為の増加運転資金は、仮に売上拡大を図れなかったとしても、既存の利益で長期的に返済していけるように、長期借入で行うのがいいかと思います。

皆様はもうお気づきですよね?
自社の借入形態は短期借入、長期借入のバランスは特に問題ないと感じた経営者の皆様
自社の借入形態は短期借入、長期借入のバランスがおかしいのではと感じた経営者の皆様
後者のように思われた方は、短期の借入が無く長期借入金しかない企業の経営者の方かと思います。

そして・・・
返済能力がないのに長期借入をしている
なぜ返済ができているの?

長期借入金にて資金調達をおこなった資金が返済に充当されているだけです。
いつかは資金が底をつく? 
いつまでも資金調達ができるという確証はない!
だからコロナ融資の返済ができなくなり、挙句の果ては『倒産』

そうならない為にも収益改善は必要不可欠! そして借入方法の見直し(組替?場合によってはリスケ?)が必要になるのです。
 

いつも私の現場で起きている生々しいお話をしていますが、先日も下記の様な事がおきました。 
今までは民間の金融機関様様と政府系の金融機関様から借入がありました。業績も順調に推移していた事から新たな民間金融機関様との取引を検討し資金調達をおこなったところ、元々の民間金融機関様から素晴らしい提案があったのです。

当座貸越をプロパー扱いで、かつ代表者の個人保証もなしです。正直びっくりしました。
何にびっくりしたのか?

新たな民間金融機関様とお取引をする前に一度組替等の相談をした際に、経常運転資金相当額は長期運転資金で支援しているから当座貸越の設定は難しいと言われていたのに、新たな提案があったからです。
しかも経常運転資金相当額以上の極度額です。
新たな決算が出たからかもしれませんが、本当に担当者の方に感謝です。

他の民間金融機関様を入れたことで、今まではほぼ一行取引(政府系金融機関を除けば)で安心感があったものが危機感に変わったのでしょうか?
今回の様に私は、どこの金融機関とお付き合いをするのか? どの担当者とお付き合いをするのか?
が企業にとっては重要であると考えています。
今のままで本当に大丈夫ですか? 誤った理解をしている金融機関の担当者とお付き合いをしていって最後に困るのは御社です!
 
『本当にどんな些細な事でも相談して欲しいと・・・まずは私に一本の連絡!』
・・・そして正しい方向性をひとつづつ一緒に導き出していきませんか?
私は少しでも皆様のお役に立ちたいと思っています。

以 上

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