『 中小企業の事業再生等に関するガイドラインとは(その2) 』 -2024年02月14日号
以前に「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」についての配信をさせてもらいました。
この2023年11月15日号の配信では、全国銀行協会が取りまとめた「中小企業の事業再生等に関するガイドラインをご存じですか」というリーフレットをご紹介いたしました。
(そのリーフレットのリンクを再掲しておきます)
- 全国銀行協会:
「中小企業の事業再生等に関するガイドラインをご存じですか」
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/adr/sme/sme-guideline_leaf.pdf
当該リーフレットでは、次ののQ1~Q3の、取り組み方、利用の仕方、依頼の仕方がQ&A方式で簡潔にまとめられており、前回はQ1について解説させていただきました。
- Q1:事業再生等にどのように取組めばよいの?
- Q2:中小企業版私的整理手続を利用するためには、どうすればよいの?
- Q3:どのような専門家に依頼すればよいの? 依頼にあたって注意すべき点はあるの?
今回のメールマガジンでは、その中で、Q2の「中小企業版私的整理手続を利用するためには、どうすればよいの?」に対する回答等を取り上げてみたいと思います。
実際に、どのような利用手順、利用経路があるのか、を把握しておくことで、有事の際、手続き面をスムーズにおこなうことができます。
Q2の「中小企業版私的整理手続を利用するためには、どうすればよいの?」に対する回答の一部を抜粋いたしますと、
中小企業者の対応として、まずは、
「事業再生計画案の内容の相当性・実行可能性等の調査・報告等を行う公正中立な第三者の支援専門家(「第三者支援専門家」)の候補者の選定」
をおこなうことと掲げられています。
前提としまして、事業者様の債務のご負担が大きくなっている場合(過剰債務であり債務超過、等の場合)を想定いたします。
この前提を受けて、当該回答はどういうことかと申しますと、事業者様がこの負担のままでは、事業の継続が難しくなるため、金融機関へお願いして、この借入元金の一部を減らしてもらえないか、という取り組みをするために、専門家に相談するというものです。要は金融機関の借入を、一部、減免してもらうために、その取り組みに詳しい専門家に金融機関との間に入ってもらうということです。
金融機関は預金者から預かっている資金を基に貸付をおこなっていますので、減免するということは、当然、簡単なことではありません。加えて、保証協会との絡みもあれば、当事者が増えますので、なおのことです。
また、複雑な法的な手続きが必要となるため、事業再生に詳しい弁護士先生に、事業者様と債権者である金融機関の間に入ってもらうことが必要となります。実務上、事業再生に係っているいらっしゃる弁護士先生は多くなく、貴重な存在とも言えます。
この方のことを「第三者支援専門家」という名称で定義されています。
第三者支援専門家が間に入ってくれることで、債権者である金融機関と、顧問の税理士先生や弊社のような認定経営革新等支援機関とで、一緒になってチームを組んで、事業者様の事業継続可能性等を目指していくものになります。
こうした対応ができる弁護士先生等を探すところからスタートすることになります。
このような士業先生と、直接、繋がることができれば良いのですが、東京や大阪といった大都市圏ではない地域では、実際はそう簡単ではありません。そもそも、金融交渉も踏まえた事業再生に携わっている弁護士先生が少ないからです。
そういったこともあり、まずは、顧問の税理士先生や弊社のような認定経営革新等支援機関や、最寄りの中小企業活性化協議会といった機関を通じて、相談されることになるかと思います。
直接、金融機関へ相談しても問題はないのですが、その場合も、債権者と債務者といった当事者だけですと、なかなか緊張感のある会合となってしまったり、本部と支店の情報格差もありますので、事業再生ガイドラインの知識のある第三者に同席してもらったり、仲介してもらったり、事前の準備をしておくことが肝要です。
まだまだ、国が押している当該制度と、現場の金融機関では温度差があります。
そうした中、徐々に事例やQ&Aといった情報が増えてきています。
2024年1月においても、当該リーフレットを掲示している全国銀行協会の「中小企業事業再生等ガイドライン」のWebサイトでも、更新された資料が追記されておりました。
- 全国銀行協会:
中小企業事業再生等ガイドライン
https://www.zenginkyo.or.jp/adr/sme/sme-guideline/
弊社においても、事業再生ガイドラインにつきましては、今後も機会を設けてメールマガジン等で情報提供させていただこうと思っています。
気になる方は、まずは上記の全国銀行協会の「中小企業事業再生等ガイドライン」のWebサイトをご覧ください。その上で、もっと現場レベルの実情をお聞きしたい場合は、弊社までご連絡いただければ幸いです。国の考え方を踏まえた上で、行動に移されていくことで、活路を見出していただければと思います。
それでは、この度の情報が、ご参考になれば幸いです。
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