『 ファクタリングにはご注意を 』 -2024年03月06日号

昔からよくある話ではあるのですが、最近弊社への電話相談でもファクタリングについての相談内容が多くなってきました。

ファクタリング?? と常日頃、正しい資金繰りをされている方、特定の業界にいらっしゃらない方には聞きなれない言葉ですので、簡単に説明しますと

ファクタリングとは売掛債権を活用した資金調達方法です。

ファクタリングは、融資ではなく、売掛債権の売買となりお客様の取引先への開示や登記は一切不要の2社間ファクタリングと、売掛先に承諾を得ることで手数料を抑える3社間ファクタリングがあります。

用語だけで言えば、一般化していて、定期的に利用されている方がいるのも事実です。

ただ利用に当たっては3ヶ月から半年程度の資金繰りを作成してから、最終決定をしてください。

そもそもファクタリングを資金繰り都合で利用される方は、金融機関の融資枠が一杯か、何かしらの理由で融資枠を使いたくない方です。

資金繰りの考えからとして調達方法にはまず

他己資本と自己資本があります。
他己資本の調達方法として、運転資本以外に考えるのが

  • 金融機関からの融資
  • ノンバンク他第3者からの融資
    (担保・保証提供含む)

が主となります。それが不足するのであれば、自己資本で個人資金を役員借入金として入れるのか検討します。

それと同時並行で考えるのが、資産の資金化です。
遊休不動産を売却したり、保険積立金を解約して自己資金に充てるのがここに当たります。

今回のファクタリングも売掛金の早期現金化に当たりますので、ここに該当します。
ただ他の資産売却と違うのは、買取業者へ手数料を支払わなければならないということです。

この手数料が結構曲者で、2%~ とWebサイトには一見低そうに見えるものの、実際は10%以上や東日本大震災の特例融資が一巡して資金調達手段が目減りしてきて、余りよろしくないファクタリング業者が横行していた時は20%後半というところもありました。

当然、手数料は金利ではないので、利息制限法の対象にはならず資金繰りが窮地に陥っている方にとっては藁にも縋る思いから継続的に使ってしまって最後は資金繰り破綻をしてしまったということが2014年頃には多かった記憶があります。

回収サイトが30日の売掛金200万に対して、例えば5%の手数料を毎月支払っていたら、毎回10万の手数料、年継続利用をしたら120万の手数料を支払うことになります。
例えばこれを借入で賄うことにしていれば、年200万の借入に対して120万の金利を支払うことに相当します。
つまり年利60%です!これでは成り立たないのが理解できますよね。

よってファクタリングを使うときは、超短期で単発のみで利用を無くすことができる場合のみ、利用をしてください。

ただ、一度利用するとほとんどの企業は毎月の資金繰りに組み込まれてしまってファクタリングある前提で継続利用をしてしまいます。
ではどのようにして、この状態から脱却するのかですが、運転資金に目を向けてください。

得意先や仕入先、取引先に協力を仰いでみてください。そうここでいうのは簡単ですが、実際は生半可なものではありません。
罵倒されるかもしれません、取引を縮小・停止させられるかもしれません。相手を選ぶことは大事なことで、ただ一つだけ確かなことは、腹を決めて、覚悟したものは強く、そこから次の兆しやきっかけが掴めるものです。
安易な手段は身を滅ぼし、難き手段は身を育てます。建設業でも運送業でも、製造業でも、そういった方々を私共は多くを近くで見て現場を支えてきました。
ここにも倒産回避となったひとつの事実があります。

資金繰りに困りそうになったら、ネット検索も良いですが、顧問税理士先生含め、専門家から情報を得ることを選択肢にいれましょう。

今回の情報がお役に立てれば幸いです。

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