『 コロナ優遇融資制度の終了 』 -2024年11月06日号

いよいよ、約5年にもわたって続いていたコロナ融資制度が終わりますね。
申込期限は12月までです。対象となりそうなのに相談すらしていない方のために今一度おさらいです。

1 経営改善サポート保証(コロナ対応版)
 ※(100%保証は100%保証で借換)
 ※(保証料0.2%、上限2.8億円、保証期間15年)

※の部分が優遇されているもの

もともと保証協会の融資制度にはあり、リスケ企業先の融資取引を正常化するときに利用されており、コロナ前は利用件数が少なく、金融機関担当者でも実務で利用することが少ないため、この融資制度を知らない担当も多くいた。

現状でコロナ融資借換で、保証料がここまで安く、15年間の超長期で返済できることで月々の負担軽減にはインパクトを与えることが出来る融資制度である。

2 日本公庫等のコロナ資本性劣後ローン
 ※限度額を引上げ(10億→15億)
 ※黒字の時の金利が優遇(2.6%)

こちらもコロナ前から制度としては存在しましたが、一般的ではなく利用者の条件面ハードルや審査がやや高く、黒字の時に金利で5%以上となっていたのが特徴でした。
ただ資本性ということから、借入金額は資本同等とみなされ金融評価上、純資産のプラス査定とみなすことが可能です。

1の保証協会融資はコロナ融資借換で超長期に薄く長く返していくことができます。
例えば6000万のコロナ融資でも年返済は400万まで減らせます。据置も最長で5年なので収益改善に合わせた返済方法が可能となります。

2の日本公庫等融資は借入期間において利払いのみで期日一括返済で純資産plus要件もあることから、過去の赤字より財務が毀損した部分を補うことが可能です。例えば財務超過8000万だとしても、1億の資本性劣後ローンがあれば金融査定上は資産超過して扱っていただけるのです。また既存融資の借換えにも使えます。
ただ申込において当然ですが返済の条件変更していないことはあげられます。また黒字であることも要件です。

私の顧問先では2について3月の制度改定に伴い、即日申し込みをして頂いて、事業性資料と経営改善計画を持参してようやくこの10月に認められました。年商規模2億で3000万の資本性劣後ローンの実行に至っています。

コロナによる融資政策は終わりを迎えますが、緊急事態に陥った中小企業経営者が借入をしまくって、結果、多額の借入だけが残ってしまいました。

経営には3つの坂があります。【上り坂】、【下り坂】、【まさか!】です。

今、返済できているものが将来も返済できるという保証はどこにもありません。中小企業経営にとって必要なのは潤沢な資金(現金)です。

資金を事業に集中させ、適切な金額を返済に充てていく、そのバランスが崩れている今、上記1・2の施策はそのバランスを整える、最後の手段です。
そのバランスが独りよがりにならないように、顧問税理士に会計士の先生にコンサルタントに聞いてみるのがよろしいかと思います。

使えるものは、何でも使う。事業継続には必要なことと考えます。選択はあなた次第です。

今回の情報がお役に立てれば幸いです。

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