『 変動金利と固定金利の仕組みを正しく理化していますか? 』 -2025年12月17日号

はじめに
今回は経営者の方からよくご質問をいただく『事業性融資の金利の仕組み』についてお話しさせていただきます。
なぜ、この様なお話しをさせていただくのか?
先日、政策金利があがるというニュースが流れたのは、経営者の皆様もご存じかと思います。
経営者の方は
『仕方ない!』
『またかよ!』
『金利負担が大きすぎる!』
など、色々と思われたかと思います。
だからこそ今、改めて借入の金利の仕組みについてお話すべきだと思い、今回お話しさせていただきます。
銀行融資の金利の基本
銀行融資の金利は、大きく分けて
・変動金利
・固定金利
の2種類があります。
この違いを理解しているかどうかで、将来の返済負担が大きく変わることがあるのです。
変動金利の仕組みについて
変動金利は、次の式で決まります。
短期プライムレート + 金融機関ごとの上乗せ金利
短期プライムレート(短プラ)とは、金融機関が「最も信用力の高い企業」に貸す際の基準金利になります。
この短期プライムレートは日銀の政策金利に連動しており、景気や金融政策の影響を受けて変動します。
つまり、
政策金利が上がる
↓
短期プライムレートが上がる
↓
変動金利が上がる
という仕組みなのです。
そこに、
・会社の財務内容
・事業の安定性
・担保や保証の有無
などを加味した金融機関ごとの上乗せ金利(スプレッド)が加わり、最終的な融資金利が決まります。
変動金利のメリット・デメリット
【メリット】
当初の金利が低い
【デメリット】
金利が上がると返済負担(金利負担)も増える
固定金利の仕組みについて
固定金利は、借入期間ごとの基準金利 + 上乗せ金利で決まります。
3年、5年、10年など、借入期間に応じて金利が設定され、返済期間中は金利が変わりません。
【メリット】
・返済額がずっと一定
・資金計画が立てやすい
【デメリット】
・変動金利より最初の金利は高め
変動金利と固定金利どちらを選択すべきか?
簡単に整理すると、以下の通りかと思います。
運転資金:変動金利が向いているケースが多い
設備投資(長期):固定金利で安定させるのが無難
また、「全額を固定金利 or 変動金利」にせず、
一部を固定金利
一部を変動金利
にするという方法も、実務ではよく使われます。
金利より大切なポイントはないのか?
実は、金利の数字だけで判断するのは危険だと私は思っています。
実際に融資を途中で見直す場合でも、さまざまな費用や条件が必要になることがあります。
・繰上返済手数料(違約金含む)
・条件変更時の手数料
・固定と変動の切替条件
・保証協会付きか、プロパー融資か
こうした条件によって、実質的な負担は大きく変わります。
最後に
金融機関の融資金利は、「安い・高い」だけでなく、仕組みとリスクを理解することが重要です。
なぜなら、融資は会社の未来のキャッシュフローを左右する経営判断となるからです。
ぜひ一度、今の借入内容を見直してみてください。
何か良い『策』が見つかるかもしれません。
一度、弊社にご相談いただき、改善策を一緒に考えてみませんか?
どうするかは、皆様の判断にゆだねます。
私は常に、今できる事を一緒に考え、一緒に行動していけたらと思っています。
実際に現場で発生している金利のお話し
次に、実際に現場で発生している金利に関するお話しをさせていただきます。
先日、ある企業様が設備資金の借入相談を金融機関様にされたところ、すごく良い条件の融資提案をしていただく事ができました。
まさしく、会社の財務内容に問題がなく、将来的にも何ら問題がない企業様です。
今回は、固定金利で無担保・無保証です。
何が言いたいのか?
会社の業績が良好であれば、金利が上がった場合でも、金融機関様が色々な対応をしてくれるという事です。
逆に、業績が悪い企業様(金利負担が大きい先)は、一生懸命努力して営業利益を黒字にしても、支払利息の負担が大きければ、経常利益は赤字になる可能性があります。
余談ですが、金融機関様がよく『業績を良くしてください!』と言われますが、金利の負担が大きな企業は、業績を良くして黒字にするにはどうしたらいいのでしょうか・・・?
最後に(メッセージ)
『本当にどんな些細な事でも相談して欲しいと・・・まずは私に一本の連絡!』
そして、正しい方向性をひとつずつ、一緒に導き出していきませんか?
私は少しでも皆様のお役に立ちたいと思っています。
以 上

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