「 消費税減税は本当に追い風か? 」 名古屋熱血コンサルタントの日記Vol.104

皆様いかがお過ごしでしょうか?

今回は今議論されているホットな話題についてお話させていただきます。


消費税減税は、飲食店にとって本当に追い風なのか

― コンサルタントの視点から ―

物価高への対応策として、「消費税の減税」や「食料品の消費税ゼロ」が議論されている。
一見すると家計を助け、消費を押し上げる“良い政策”に見えるが、飲食店にとっては必ずしも単純な追い風とは言えない。

まず押さえておきたいのは、今回想定されている減税の多くが「食料品」を対象としており、外食は対象外となる可能性が高いという点だ。
仮にスーパーで購入する食材や惣菜の消費税がゼロになり、外食は10%のまま据え置かれた場合、内食と外食の価格差はこれまで以上に広がる。

これは、飲食店の努力とは無関係に、「外で食べない理由」が制度的に強化されることを意味する。

さらに見落とされがちなのが、消費税の仕組みそのものだ。
消費税は、売上にかかる税額から仕入れ時に支払った税額を控除して納税する。

しかし、食材の消費税がゼロになれば、飲食店は仕入税額控除を使えなくなる。
一方で、外食売上には10%の消費税がかかる。

結果として、帳簿上の納税額が増える、あるいは利益率が圧迫されるケースも現実的に起こり得る。

ここでよく聞かれるのが、
「消費が活発になれば、外食にもお金が回るのではないか」
という期待だ。

だが、コンサルタントとして現場を見ていると、減税によって浮いたお金が、必ずしも外食に向かうとは限らない。
生活防衛意識が強い局面では、貯蓄や他の値上げ分の補填に回る可能性の方が高い。

重要なのは、今回の動きがコロナ禍の再現ではないという点だ。
行動制限も営業制限もない。

しかしその一方で、コロナ後半に多くの飲食店が直面した
「売上はあるのに利益が出ない」
という状況は、形を変えて再現される可能性がある。

今回の消費税減税は、すべての飲食店に一律の影響を与える政策ではない。
価格で選ばれる店、日常利用の外食ほど影響を受けやすく、体験価値や目的来店型の店は比較的影響を受けにくい。

つまりこれは、経営の中身が問われる局面だと言える。

減税を「追い風」と捉えるか、「構造変化のサイン」と捉えるか。
その判断の差が、これからの飲食店経営を大きく分けていくだろう。


では経営者は今、何をすべきかを整理したい

重要なのは、減税が実施されるかどうかを待つことではない。
制度がどう動いても耐えられる体質を、今のうちに作っておくことだ。


① まずやるべきは「客数」ではなく「粗利」の再点検

多くの飲食店経営者は、売上や客数に目が向きがちだ。
しかし今回のテーマで本当に見るべきは、粗利構造である。

  • 原価率は本当に適正か
  • 値上げできていない商品はないか
  • メニューごとの利益を把握できているか

消費税の仕組みが変わると、売上が同じでも手元に残るお金が変わる。
この局面で「どの商品が利益を生んでいるのか」を把握していないのは、かなり危険だ。


② 「価格競争に巻き込まれる店」になっていないかを確認する

内食との価格差が広がったとき、真っ先に影響を受けるのは
「安いから選ばれている店」だ。

ここで経営者が自問すべき問いはシンプルである。

お客様は、なぜこの店を選んでいるのか?

  • 価格か?
  • 立地か?
  • 味か?
  • 人か?
  • 雰囲気か?

この答えが「なんとなく」になっている店ほど、外部環境の変化に弱い。
価格以外の理由を言語化できていないなら、今が見直しのタイミングだ。


③ テイクアウト・物販・付加売上の再設計

消費税減税の議論は、「外食」と「内食」を分断する方向に進む可能性がある。
であれば、外食か内食か、という二択から降りるのも一つの戦略だ。

  • テイクアウト
  • 冷凍商品
  • 調味料・惣菜の物販
  • サブスクや回数券

これらは単なる売上補完ではない。
客との接点を増やし、価格比較の土俵から外れる手段でもある。


④ 固定費は「削る」より「変動化」を考える

コロナ禍を経験した経営者ほど、「固定費は怖い」と感じているはずだ。
今回も同じで、売上が急落しなくても、利益が圧迫される局面が想定される。

  • 人件費の柔軟化
  • 営業時間・営業日の見直し
  • 外注と内製の再整理

一気に削る必要はないが、
「下がった時に耐えられる形」になっているかは、今のうちに点検しておきたい。


⑤ 今回は「準備できる環境変化」である

コロナ禍との最大の違いはここだ。

  • 突然ではない
  • 営業制限はない
  • 情報は事前に出ている

つまり今回は、経営判断で差がつく環境変化である。
減税が実施されてもされなくても、このタイミングで自社の構造を見直した飲食店は、次の局面で強くなる。


最後に

消費税減税は、助けにもなれば、試練にもなる。
問題は制度ではなく、「それにどう備えているか」だ。

環境のせいにせず、構造を見直した経営者だけが、
次の数年を安定して乗り切ることができる。
と私は思います。


どんな些細な事でも大丈夫ですので
是非エクステンド名古屋オフィスのヤマナカまでお気軽にご連絡下さい。

                            以 上