職場の人間関係

顧問先で、経営者や従業員の方から相談を受けることが多いのが、「職場の人間関係」という場合もあります。「人間関係」はどこでも重要であるし、いつの時代も問題・課題ということが多いです。

これだけ多くの問題・課題が出てくるので、内容はケースバイケースであり、対処法はそれぞれのケースによって違う事になります。しかし、原因によっては、ある程度「人間関係」を良くする、又は「人間関係」の悪化を防ぐことはできます。

その方法の一つが「経営理念」および「企業の方針」「企業の目的、目標」を明確にすることなのです。なぜ、理念や方針、目標などを明確にすると「人間関係」が良くなる、悪化しにくくなるのでしょうか?

例えば、高校野球を例にしましょう。「全国制覇を目指す」とか、「甲子園を目指す」という明確な目標があるチームは強いです。さらに、目標が高いだけに、皆が協力し、皆が向上していかなければいけないので、チームワークも良くなるのです。もちろん、目標が高いだけに、個人個人が頑張りすぎて、チームプレイが乱れることもありますが、それは目標設定とそれを各人に落とし込みが上手く行っていない場合です。本当の意味の目標設定と各人の役割分担が出来ているチームは、ポジションの違い、打順の違い、レギュラーと補欠の違いなどがあっても、協力体制が出来ているのです。

経営に戻っていただいて、理念や方針・目的・目標がしっかり決まっていないと、各人が自分のテリトリーを守ることに集中します。その時に、テリトリーが別の人と重なると摩擦が起きるのです。その時に、理念などがしっかりしていれば、摩擦を解消する判断基準がはっきりしているので、両者納得できやすいのですが、判断基準がない(各人とも正しい)ので、いつまでたっても解決はしないことになるのです。

つまり、理念などがないと、各人が自分の判断で動くことになり、それは理念などがない状態では、正しい行動になります。でも正しい行動だとしても、企業全体では整合性は取りづらいのです。よって、理念などがあるだけで、ある程度は、企業全体の判断基準がしっかりし、各人同士も余計な摩擦が起きにくくなるのです。

理念、方針、目的、目標があるだけで、人間関係のすべてが解決するわけではありません。でも、実は、理念、方針、目的、目標がない(明確ではない)事によって、余計な摩擦が起きている場合があるのです。よって、理念などが明確になるだけでも、人間関係の一部が改善することが出来る、又は悪化するのを防ぐことが出来るのです。


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