『経営者保証ガイドラインを活用する』

4月に入り、新しい年度スタートした。世間では消費税が5%から8%に上昇して、賃金が3%も上がっていない消費者は財布の中身と使い道を考える時期に来ている。事業者であるにも関わらず駆け込み購入をする企業が相次いでいるという理解不能な情報も耳にした。知識を知恵に活かす行動を心がけたい。

『経営者保証ガイドラインを活用する』

2014年2月より運用されている経営者保証ガイドライン。
経営者が融資の保証人をしなくても良くなった?、万が一、企業が倒産した際に個人財産を取られなくて済む?などなど都合の良い様々な憶測が飛び交っています。本格的な運用は金融機関の決算が終了したこれからになるでしょう。

経営者として金融機関と良好な関係を築いていきたいと本気で思っていらっしゃるのであれば積極的に経営者保証ガイドラインを活用される事をお勧めします。

『経営者保証を外してくれと金融機関に打診したら、今後の 融資に影響が出てきて金融機関が融資してくれなくなる』と仮に思っているのであれば大きな間違いです。

経営者保証ガイドラインを活用する事は金融機関とより良い関係を築いていく大きなチャンスとなります。

では何故か?

金融機関は以下のような要件が将来にわたって充足すると見込まれる時は企業の経営状況・資金使途・回収可能性等を総合的に判断する中で、経営者保証を求めない可能性や代替的な融資手法を活用する可能性について企業の意向も踏まえた上で、検討する事とされています。その要件とは

①法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離されている
②法人と経営者間の資金のやり取りが、社会通念上適切な範囲を超えていない
③法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断しうる
④法人から適時適切に財務情報等が提供されている
⑤経営者等から十分な物的担保の提供がある(経営者保証ガイドライン第4項(2))

上記要件を出来るだけ多く充足される事が望ましいですが、個別事案毎に要件の充足について判断される事となります。

金融機関が経営者保証ガイドライン第4項(2)に即して検討を行った結果、経営者保証を求めることが止むを得ないと判断された場合や、中小企業における法人個人の一体性に一定の合理性や必要性が認められる場合等で、経営者と保証契約を締結する場合、金融機関は法人や保証人に対する保証契約の必要性等に関する丁寧かつ具体的な説明を行わなければなりません。(経営者保証ガイドライン第5項(1))

中小企業の7割以上が赤字と言われていますので多くの企業はここで経営者保証を外せない理由を聞く事になります。

しかし金融機関は保証契約の必要性を丁寧かつ具体的に説明しなければなりません。ここでどうしてダメなのか徹底的に金融機関の言い分を聞きだしてください。
(ここで内容についてはぐらかす様な金融機関であれば、本気で付き合う気が金融機関にありませんので、今後の付合い自体をどうされるか検討された方が良いでしょう)

そのダメな理由が、金融機関があなたの企業に対する見方です。
ここで現状の金融機関と企業の関係性を知る事が出来ます。

現状把握が出来たら、あとはダメな理由を一つ一つクリアしていけば良いのです。自己資本比率が10%足りないのであれば出資をする、利益を出す、総資産を圧縮する方策を考えるべきでしょうし、代表者の個人商店に成り下がっている状態であればまず経理体制の再構築から始めなければなりません。
経営計画に思う存分盛り込みましょう!

出来ない理由の裏返しは、出来る条件なのです。

経営者保証ガイドライン第4項に記載してある要件は、企業が企業として成長していく過程で、あたり前の事しか書いていません。

即ち経営者保証ガイドラインは企業が社会的に信用力をつけ、50年、100年続く企業になる基盤をつくる事が出来るのです。それを活かすがどうかは経営者次第です。

奥田 雄二

 


「奥田 雄二の再生奮闘日記」の過去記事をご覧になりたい方は
↓ ↓ ↓
奥田 雄二の再生奮闘日記:目次


 

お問い合わせ