『 資金繰り表は「頭の中にあります」? 』 -2015年04月08日号
◆頭の中の資金繰り表は、正しいか
企業経営者からご相談をいただく際に、
「資金繰り表はないけど、だいたい分かっているよ」
「自分の頭の中にあるから大丈夫」
と仰る方は大勢いらっしゃいます。
間違いとは申しません。
ウソとも思いません。
が、そう仰る方で、私が
「では、私も確認したいので、今この場で作ってみましょう」
とした際に、完全とは言わずともある程度状況が見えるようになることは、10%もありません。
率直に申し上げれば
- この台詞を仰っていることが、資金繰りに困っている原因です。
- この台詞が許されるのは、「資金繰りに困っていない企業の経営者」だけです。
資金繰りに詰まってしまった企業は、資金繰りが分からなくなっているものなのです。
実際、本当に必要な金額がいくらかお答えすることができないかできたとしても、その後もっと必要になります。
資金繰り表をつくらなくても良い企業というのは現預金が潤沢にあって、現預金は概ね増加していることが確認できている収益の確認が、いつでもできる
企業のことであり、どの企業も目指すべきところではありますが再生への取組みを行うにあたっては、一度は資金繰り表と格闘しなくてはなりません。
◆資金繰り表がつくれないのではなく、つくりたくないのは「仕方ない」
ずいぶんと厳しい書き方になってしまったかもしれません、しかし、私の経験上ということで了解していただければ助かります。
とはいえ、別に私は再生フェーズにある経営者を責めたいのではないのです。
私自身、かつてどこにでもある中小企業に所属し資金繰り表を作成していたことがありますが、資金ショートが予想される資金繰り表はつくろうとしても、思うようにはいかないもの。
日常業務で忙しいから?
他に優先してやるべきことがあるから?
間違ってはいません。しかし、根底にあるものは
「現実を見るのが怖いから」
でした。ええ、怖いです、まるで自分の死刑の執行日を決めているような気持ちになりますから。
この気持ちは仕方ありません。怖くないなんていったら、それこそウソ。
だから、発想を変えることからはじめるべきです。
「あとどれだけ資金があれば、疑いなく回せるのか、それを数ヶ月(以上)先まで確定させて安心する」
ためにこそ、資金繰り表はあるのです。
再生できた企業の経営者は、必ず一度、この問題を乗り越えています。
一人でできないなら、コンサルタントなり専門家を使っていただいてでも、きっちり向き合うとよいでしょう。
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