ある会社の1コマ <代位弁済へ>

5月の連休も終わり、気温も高くなる日が多くなっております。
まだ暑さに体が慣れていませんのでご注意ください。

今回は、『代位弁済』についてお話をさせて頂きます。

「代位弁済」とは、債務者が信用保証協会の保証つきで借りた融資を返済できない場合に、信用保証協会が金融機関に対してこの返済を肩代わりし、それと引き換えに債務者等へ弁済を求める制度です。
代位弁済というと、「すべてをなくしてしまう」とか「事業ができなくなる」などのイメージをもたれる方が多いと思います。
しかし、実際には、多くの方が自宅や工場を手放すことなく、かえって、これを機会として事業の再生に取り組まれているというのも事実です。

(M社の例)
M社は、資金繰りが逼迫しており、買掛金・経費・社会保険料・税金が遅延しながらの
支払いとなっておりました。金融機関への支払いは、条件変更(リスケジュール)を行っており、元金は50万円の返済で金利のみの支払いとなっておりました。

ただ、販売した塗料が不良品で売上代金の回収が出来ない状態です。
このまま行けば資金ショートが考えられます。
様々な経費削減策を検討し、実行に移しました。
金融機関も同様で元金返済及び金利の支払いも困難な状況ですので『代位弁済』を決断しました。

保証協会との打合せで半年間は0円/月の返済。その後6ヶ月は1万円/月の返済となりました。6ヶ月ごとに返済金額の見直しを行いました。
今回のケースでは、工場・自宅の売却依頼はありませんでした。

借りたものは返さなければなりませんが『代位弁済』の知識を持っておくことも将来の危機対応となる可能性もあります。