▼Q.261 建設関係の会社なのですが、当社の決算報告書や試算表は、材料費や労務費といった売上原価の勘定科目を使用していません。税務署への申告においても、税務署や税理士事務所から指摘されたことはありません。このままで問題ないでしょうか?

▼A.261

基本的に、税務申告するにあたって、この勘定科目を使わなければいけない、というものはありません。

ですので、建設業や製造業であるからといって、完成工事原価報告書や製造原価報告書で使用するような売上原価の勘定科目を使わないで、決算報告書や残高試算表といった財務諸表を作成しても問題はありません。ただし、財務諸表を作成する理由と言うのは、税務申告用の書類を作るためではありません。所謂、「税務会計」を基準とするべきではなく、「財務会計」や「管理会計」といった経営者が経営判断に活用できる指標を設けた会計基準にすべきです。

自計化(自社で試算表を作成できる体制が整っている)ができているのであれば、税理士事務所に売上原価を活かすようにするにはどうしたらよいか、聞いてみてください。税理士事務所に試算表を作成してもらっているのであれば、税理士事務所に売上原価を使用した財務諸表を作成するように依頼してみてください。売上原価の金額や比率を意識した経営をしていくと、今まで見えなかったものが見えてくるはずです。