『 時間をかける承継と、時間をかけない承継 』 -2015年09月16日号

一般的に、承継には10年かかると言われています。

現経営者から後継予定者に、経営に関するノウハウや人脈を引き継いだり、引き継ぎやすい社内の人事体制にしたり、株式の譲渡をしたり、という様々な工程を考えれば、最低でも10年かけなければ、しっかりした承継はできません。

ですので、承継段階に入っている企業様には、10年から15年かけて、承継をおこなってもらうように話をしています。

そのために、承継計画を立て、引き継いでいく重要項目を可視化し、大まかなロードマップやタイムスケジュールを共有し、優先順位を決めて取り組んでいきます。

これは、同族会社における社内承継であろうが、世襲しない社外承継であろうが、同様です。

ただし、例外もあります。

現経営者が承継に積極的であればよいのですが、そうでない経営者も現実に存在します。

承継は、現経営者が自社を継続・存続させるために、次の世代の利害関係者のために、後継予定者が取り組みやすい環境を整える行為です。

これに反する行為を現経営者がおこなっているのであれば、現経営者から、その立場を奪い取らなければならない事態も生じます。

当然、最近、ニュースで報道されている大塚家具のような”親子喧嘩騒動”は避けたいです。
避けられるのであれば、そうしたいです。

でも、そうでもしなければ、会社経営が危ぶまれる事態も起こり得ます。

現実的には、代表権や株式の奪取ということになりますが、一人で取り組むには時間も資金もかかります。

次世代の人事構想におけるキーパーソンを見つけ、承継の重要性を説明・共有し、自身の右腕・味方を見つけておいてください。

これは、現経営者が承継に積極的な場合も言えることですが、今後、後継予定者体制になって何十年を担っていくことを考えて、人選してください。

一緒の時代に生きるという意味では、年齢は非常に重要です。

また、キーパーソンは社内だけとは限りません。
利害関係者すべてを対象にして探してみてください。

日頃のそうした目線が無駄になることは決してありませんので。

この度の情報が、ご参考になれば幸いです。

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