銀行は、「事業再生」という取組みを終えつつある
◆政府・金融庁の今後の動き
平成30年を目処として、中小企業再生支援協議会が
閉鎖となる予定であることをご存知の方は、あまり多くない
のではないでしょうか。
第三者的立場から主にリスケジュール中の企業の再生計画を策定し、
銀行の返済条件緩和の了解を得る際によく登場する機関であり、
既に取扱い件数は1万件を超えています。
弊社自身、その下部組織的な位置づけである
経営革新等支援機関の認定を得ており、既に百数十件の取扱い
を行ってきております。
が、近い将来この制度は縮小していくということです。
本取組みは助成金・補助金の対象にもなっておりますが、
その予算自体が来年度においても減額が行われていることからも
明らかです。
◆ここ数年で、静かに選別は行われてきた
元々、これまで考えられてきた事業再生は、概ね
- 企業の存続を前提として
- 経営者の承継や相続を深くは考慮しないで
- 事業収益と、遊休資産の売却による負債圧縮、純資産改善
することを目的としてきました。
銀行にとっては、融資に対する貸倒引当を充分に積んでおく
期間だったともいえます。
貸倒引当は金融庁が2年前に「十分」と判断を下しており
(個別に考えればどうみても足りてない銀行もありますが、
それは統合対象になるだけ)
銀行側の最終処理準備は整ってきています。
これが選別の実態です。
リスケジュール中の企業に対しては、銀行は
リスケジュールを継続しても、それ以上は動かない
という選別手法をとっている、ということ。
しかし、この選別の動きも経過措置。本番はこれからです。
キャッシュフローがプラスであることを証明した企業は
(リスケ中でも資金繰りが回る、ということは概ね
銀行取引を除いたキャッシュフローがプラス、黒字)
将来の存続性を明らかにしなくてはなりません。
経営者としては、自らの生きてきた証を残すため、自ら
銀行に逆提案していくくらいが丁度いいはずです。結果的に、
そんな企業が銀行からも評価され、協力を得られます。
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