新たな中小企業評価指標

現在、一般的に再生企業に必要な財務要件は

・最終での利益、キャッシュフローが出せること
・(実質の)債務超過が解消できる絵が描けること
・相続・承継が可能であること

ですが、新しい評価体系が発表されはじめましたので、
今回より折りに触れてご紹介してまいります。

◆新たに追加される財務要件は「儲かる力」「生産性」

ローカルベンチマーク、と呼ばれる財務評価手法が
経済産業省より提示され、各銀行でも採用される方向にあります。
これまで財務要件として必要とされてきたものに加えて
「儲かる力」「生産性」にスポットライトがあたることが
ポイントです。特に、既に有力指標が示されておりますが、特に

「労働生産性」 = 営業利益 / 従業員数
「営業運転資本回転率」
        = (売上債権+棚卸資産-買入債務)/月商 

は、これまでの中小企業向け財務分析では
あまり着目されてこなかったものです。

労働生産性は、社員(従業員)一人あたりの営業利益であり、
社員の生産性を計るものですし、
営業運転資本回転率は、事業上の資産を効率的に
動かしているかどうかを計るもの。
これらに対して、改善努力をしてきた企業が
救済の手を差し伸べられることになります。

◆正しい財務数値の提出が、より重要になる

追加される指標の意味は、これだけではありません。
ただ会計上の売上・利益をつくれば評価が上がる
ものではない、という仕組みになっています。

上記指標は、「粉飾している企業は、悪化する」
傾向にあるため、です。
売上・利益をかさ上げしようとした場合、大半は
売上債権(売掛金+受取手形)や棚卸資産が増加しますから、
上記の営業運転資本回転期間は悪化することになります。
業界平均や銀行内での平均値から、異常値になっている
ものが、より要注意項目として挙げられることでしょう。

粉飾といえ止むを得ないものも多いですが、
放置することのデメリットは大きくなる一方であることに
ご注意下さい。

 


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