中小企業等経営強化法は業種別に財務評価が大きく変わる

既に衆議院で可決された、中小企業等経営強化法は、
これまでの経営改善計画に変わり
経営力向上計画の作成を中小企業に求め、
その申請が認定されることで、税金の軽減や金融支援を受けられる、
というものです。

その認定を行うのも、これまでは銀行をはじめとした金融機関だったものが
各事業分野別の主務大臣に変わります。
例えば、運送業なら運輸省⇒国土交通省大臣が認定者、ということですね。

詳細はまだこれから、とはいえ現時点で分かっていることもあります。
それは、「業種別で指標の水準や優先順位が変わること」です。

経営力改善計画の認定にあたっては、
中小企業庁の上部組織にあたる、経済産業省(の大臣)が
「基本方針」を定めますが、
実際の認定を行う各事業分野別の省庁(の大臣、つまり主務大臣)が
「事業分野別の指針」を定めた上で、その指針に従って
認定を行う、とされているのです。

つまり、事業分野別に、指針が異なることになります。

銀行の財務評価も、業種別の評価基準は異なり、
例え同じ財務内容でも格付けや融資姿勢が違ってくることは
不動産業や大規模設備を必要とする業種を中心に
存在してきましたが、「貸したお金が返ってくるのか」という原則、
「貸したお金が何に使われるのか」という目線では
変わることがないため、使われる指標そのものが大きく変わることは
ありませんでした。

私たちコンサルタントの立場で言えば、少々の業種の違いがあっても
債権者である銀行が安心できるのかどうか、
という見地で企業の状況を判断する、という考え方でいれば
どの業種であっても似たものだったわけです。

一方各省庁は、所管する各業種に対して、例えば
より発展的に取り組む業種なら、売上増などの成長性を求め
成熟し、需給バランスが供給側に偏る業種なら、
自己資本比率などの安全性を求めることになるのではないでしょうか。

銀行対応、というテーマも近い将来、
業種別になっていくことでしょう。

しかし、重要なことは「将来を見据えて本来正しいことをきちんとやる」
ことには、何も変わりはありません。

 


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