『 「借りた金は返すな!」という言葉の誤解 』 -2016年12月21日号

「借りた金は返すな!」と言えば、加治将一先生・八木宏之先生が執筆され、シリーズ累計では50万部をはるかに超える発行部数となったベストセラーです。
読まれた方はもちろん、そうでなくともこの言葉には聞き覚えがある方は、非常に多いことと思います。

お客さんとお話していても、このお話がよく出てきますがその考え方には、少し気をつけておくべきなのでしょう。

何も、借りたお金は絶対に耳を揃えて返さなくてはならないとか、そんな杓子定規なことを言いたいのではありません。

過剰に借金に苦しむより、どこかでケリをつけた方が将来、一生という意味ではより生産的なこともできますし、そもそも「返さない」と「返せない」は違います。

しかし、借りた金は返すな、この言葉は、単に借り逃げしてよい、という意味の言葉ではないことは、よく認識しておくべきです。

結論を申し上げてしまえば、

「今借りているお金を返さなくてはならないからといって、他でもっと高金利のお金を借りてこよう、なんて考えるくらいなら、今ある借金を返さなくていい」

これを短くしたものが「借りた金は返すな!」です。

八木先生より直接伺ったからところによると、編集者が、書籍のインパクトを強めるために名付けたのだとか。
マーケティングの都合とは、怖いものです。

◆「返すために借りる」からの脱却

大事なことは、

  • 正常な格付、フェーズで融資を受けている企業・個人はよりよい条件を求めてよい
  • 再生フェーズにある企業・個人は「無理をして「正常であるようにやせ我慢して」

今ある融資を返そうとしなくてもよい

  • ただし、「やばい」と思ったときには、融資は得られない状態になっているので、早め早めに対応を。
    ギリギリでお金を借りているのならば、もう対応を待ってはいけない

ことなのでしょう。

銀行対応は、困ってから、その時になってからでは遅いから、です。
予防措置が全てです。なぜなら、都合が悪くなった後では銀行は動かないから。

常に先へ先へ、対応を決めていただければ、問題はなくなります。
返すために、より高金利のものを借りる、そんなことがあってはなりません。

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