メインバンクは、要らない -2017年10月25日号
『 メインバンクは、要らない 』
前回、メインバンク制や、メインバンクに依存する企業が
危険であることに触れましたが、今回はもう少し補記しておこうと
思います。
◆メインバンクは、誰のためにある?
メインバンクは、少なくとも圧倒的な(一行で50%を超えるような)
シェアをもって集中取引を行う銀行というのは、これからは
中小企業であっても持つべきではありません。
一般的な経営においても全く同じことですが、
ごく少数の取引をしていることは、取引相手にとってどうでしょうか?
「うちとの取引がないと、経営できないでしょう?」
と思われてしまうのが当たり前。
それ自体が大きなリスクです。
どうして、銀行取引だけは、そうではないと言い切れるのでしょう?
それは…、銀行自身の(担当者の)収益管理のためです。
銀行の予算や目標は、
「今既に存在している融資は、完済までその金利が予算に組み入れられる」
「経常的に取扱いしている為替(振込)などの取引は、そのまま
の取引が続く」
ことを前提に、そこから「○○%」の上乗せをする、という設定が
なされます。
大事なことは、「今存在している取引は、そのままであることが前提」
ということです。つまり既存取引は「あって当然のもの」なのです。
さらに、メインバンクだった場合は…
うちの銀行が取引しないと経営が行き詰まるのだから、うちに
失礼なことはしないだろう、と思われます。
なおさら計算に入れられる、ということですね。
そこで、銀行の収益をもっと出そうとすれば
・金利を上げても
・要らない金融商品を買ってもらっても
・減免できる手数料を規定の金額でもらっても
ここは銀行の言うことを聞かざるを得ないから、受けてもらえる、
と狙い撃ちされるようになります。
メインバンクというのは、企業のためにはなっていません。
銀行が都合よく儲かる相手に、メインバンクという言葉を使っている
ことが大半です。
◆メインバンクは、やっぱり要らない
よく相談をいただきますが、
「取引銀行を増やそうとしたけれど、既存取引銀行に止めてくれ、
と言われて、自社が困った時に助けてほしいから中断した」
と仰る経営者が非常に多いものです。しかしそれが、
銀行が助けてくれるかも、ということではなく
予算に織り込んだ収益に穴をあけたくないから、ということを
経営者は知らなくてはなりません。
複数の取引銀行があったらどうでしょう?
「御行でやってくれないのなら、他にお願いする」
と申し出すればよいのです。なにしろ、既に予算に織り込まれている
のです。「他に取られるかも」という状況がある方が
いいのは明らかです。
特定の銀行に依存することは、通常の商取引だけではなく
銀行取引においても危険なのです。
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