『 消費税や社会保険を延納させる前に 』 -2019年01月24日号
消費税や社会保険の支払いは義務ではありますが、お金がないとついつい後回しにしてしまう人もいるかもしれません。
確かに翌月にすぐ解消できる、という程度のものであれば税務署や年金事務所から指摘されることもなく済むことも多いでしょう。
◆対応は厳しくなる一方
しかし、税務署や、年金事務所の対応は年々厳しさを増す一方です。私が伺ったご相談でも
- 予告なく、突然預金の差押
- 国税への対応移管が、これまでよりも少ない金額で行われ(例えば未納額1000万円⇒800万円)、国税は全く分割納付を了解しない
といういご説明をいただくことがあります。
国としては、税収確保が困難になっていく中では、徴収もより厳しくせざるを得ない、ということなのでしょう。
◆銀行返済>税や社保?
再生への取組みを考える場合、問題になるのは
「銀行からの借入返済は正常なのに、消費税は滞納している」
さらに悪化すると
「消費税・社会保険は滞納、取引先へも支払遅延しているのに銀行借入の返済は行っている」
ことで、案外と多くの企業が陥ってしまっています。
上記の通り、一度納付を遅らせるだけなら簡単であることが常態化してしまった結果です。
再生取組み中の資金繰りの都合上、という会社側の状況も加味する必要はあるとはいえ、この状態は難しいのです。
そんな社長は、「それでも融資が得られるかもしれない」と仰るのですが、税や社保の滞納は、それだけで融資を断る理由になります。非常に困難です。
順番が違うのです。リスケジュールをしてでも税や社保は一刻も早く正常な納付状態に戻さなくてはなりません。
このような案件になると、基本的な取組みの順番としては
- リスケジュールし、返済資金だったお金を税や社保の延納支払に充てることで、先に税・社保の正常化をする。取引先への支払遅延も同様
- 税・社保の正常化後に、金融取引の正常化を目指す
が妥当です。
実務上、税・社保の延納や、取引先への支払遅延の発生は新規融資が受けられない理由であり、リスケジュールを申し込むに十分な理由なんです。
この結論を先送りしてしまうと、リスケジュール自体が遅れてしまい、遅れた期間中の返済金額が猶更流出してしまいます。
改めて、税や社保の納付をコントロールして資金対策をする、というのは危険であり、そこまでしなくてはならない場合には即座に専門家へご相談下さい。
税務署等から差押されてしまう、というのはあまりにも気分が悪いものですから。
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