「売掛金残高管理とキャッシュフローと人材育成」

コンサルタントとして、お客様へ訪問すると、よく、予実管理の重要性が話題になります。
会社としての予実管理はとても重要ですが、従業員としての予実管理も同様です。

貴方は自社の営業マンに対して、予算としての売上高や粗利額の目標を持たせ、実績との比較をおこない、次の行動計画に反映させる取り組みをおこなっていますか?
これができると、企業としての損益の予実管理をおこなう上で、数値に根拠ができ、意味のあるものとなってきますね。

まだであれば是非とも導入してください。

また、貴方は自社の営業マンに対して、得意先ごとの売掛金残高の管理をきちんと管理させ、報告してもらう仕組みを作っていますか?
これができると、企業としての資金繰りの予実管理をおこなう上で、経常収入の見込精度が高くなり、資金繰りを立てやすくなります。

逆に、売掛金残高の管理ができていないとどうなるでしょうか。

利益は出ているのに、手許にはお金がない状態になってしまう恐れが出てきてしまいます。

売掛金の回収は、本当に大切です。
回収できないと、お金は入ってきませんが、利益が出ているために出ていくものは出ていきます。
そうです。税金です。
消費税や法人税・法人事業税・法人住民税が発生します。回収できていないので、その分は自社の持ち出しとなります。

さらに、仕入等があれば買掛代金、それと、その営業マンの人件費(給与・社保・厚生費)、も自社で立て替えることになります。

まさに、負のスパイラルですね。

貴方の営業マンには、損益のこと(売上高・粗利)のことだけでなく、キャッシュフローのことも合わせて、わかりやすく具体的に説明してあげてください。

例えば、売上代金50万円の回収ができないことになったとします。
粗利率20%の商品であれば、250万円分の商品の利益に匹敵します。
更に、税務的に貸倒処理ができるまでは、消費税で2.5万円、法人税等で約20万円は持ち出しです。
その間、資金補填のために借入をおこなえば、その分の金利もかかってきます。
こうしたことが経営上、おこっていることを数字を使って説明してあげてください。

営業マンご本人も、数字として具体的なものであると、よりリアルに感じ取れます。
ご自身も、自分が稼いだお金でないところから、給与をもらっていると認識すると、心地よくないはずです。そうならないように事前に対処するようになるはずです。

売掛金残高管理は、未回収が起きないように事前に対応することが一番です。一度、未回収になってしまうと、それを管理し続ける必要が出てきますし、それに気を取られてしまうことが多々出てきてしまいます。

限りある経営資源をそこに費やしてはもったいないです。
是非、損益だけでなく、キャッシュフローについてもわかる社員を一人でも多く育てていきましょう。その取り組みがきっと、将来の幹部候補生の発掘にもつながります。