『 金融機関から提案を受けたら 』 -2023年01月25日号

今月1月10日から、コロナ借換保証制度の運用開始もあり、貴社も取引金融機関から様々な提案を受けていることと思います。

・中小企業庁:コロナ借換保証について
 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html
・中小企業庁:新たな借換保証制度(コロナ借換保証)の創設
 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/dl/karikae_gaiyo.pdf

売上等の減少要件はございますが、ゼロゼロ融資の据置期間が終わり、返済が開始するタイミングの事業者様にとっては、当該借換により、財務キャッシュフローが安定しますので、対象になる事業者様にとっては、うまく活かすことで、一定期間の時間的猶予を確保していただければと思います。

 (ご参考:短期継続融資)
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ただ、事業者様によっては、収益が回復し、実際はプロパー融資が可能な財務状態であったり、所要運転資金に対する当座借越や手形借入といった種別の短期継続融資を求めているのに、何とか対象となる月を見出して、無理くり当該保証制度を利用しようする対応が見受けられます。

当該保証制度が事業者様にとってピッタリ当てはまる場合は、どんどん進めて欲しいのですが、そうでない事業者様にとっては、長期の証書借入での対応となりますと、本来の求めている借入金の長短バランスと乖離していってしまいます。

そうならないためにも、まずは目指すべき、長短バランスを数値やグラフにして具体化した上で、取引金融機関と共有してみてください。それを提示しながら、ウチが求めている形はこれです、と金融機関に投げかけてみてください。

金融検査マニュアルの導入により、「短コロ」と言われて融資形態が潜んでしまったと言われておりますが、実際は、金融検査マニュアルにおいても、短期継続融資で対応することに問題ない、ことが明示されております。

・金融庁:「まち・ひと・しごと創生総合戦略(平成26年12月27日閣議決定)」を踏まえた
「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」への新たな事例の追加について
 https://www.fsa.go.jp/news/26/ginkou/20150120-1.html

ただ、金融検査マニュアルという金融庁の印象の強さから、なかなか短期継続融資の有用性が浸透しないこともあり、廃止にすることで、金融機関独自の指標で金融取引に取り組むように促されました。

国のこうした取り組みはおこなわれはしましたが、現状、いろいろな事業者様の財務を見させていただいている中、金融検査マニュアル廃止以前と変わらず、長期借入での対応一辺倒になってしまっている事例が、数多くございます。

一部の金融機関では、短期継続融資への取り組みを積極的におこなっているところもございます。そうした事例もあることを、貴社のメイン行へもご説明いただき、メイン行の融資取り組み姿勢を確認していくことが、今後ますます、肝要となります。

本来、事業をおこなうにあたって、長期資金は設備投資等に対応するもので、所要運転資金は短期資金で対応すべきものです。

これが、金融検査マニュアルの誤った解釈で、短期資金は好ましくない、ということになり、証書借入主体の金融取引になってしまいました。

ただ、近年、国も改めて、短期継続融資や資本性資金で重要性をアピールするようになってきております。

貴社の目指すべく長短バランスを常に念頭に置いていただき、同時にアンテナを立てながら、時流に先駆けた対応に取り組んでいただければと思います。

この度の情報が、ご参考になれば幸いです。

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