『 資金調達は銀行借入だけではない ― 銀行借入・ファクタリング・リースバックの違いと危険な資金調達への注意 ― 』 -2026年10月07日号

資金繰りが厳しくなったとき、多くの経営者がまず考えるのが「銀行から借りられないか」ということではないでしょうか。

もちろん銀行借入は、企業にとって最も一般的な資金調達方法です。

しかし現在は、金利上昇や金融機関の融資姿勢の変化などもあり、「銀行融資だけに頼る資金調達」では、必要なタイミングで資金を確保できないケースもあります。

その一方で、資金調達方法が多様化したことで、十分な知識がないまま高額な手数料を負担したり、悪質な業者との契約によって、かえって資金繰りを悪化させてしまうケースにも注意が必要です。

今回は、代表的な3つの資金調達方法と、その注意点について整理します。

1.銀行借入

銀行借入は、運転資金や設備資金など、幅広い用途で利用できる最も基本的な資金調達方法です。

最大のメリットは、一般的に他の資金調達方法と比較して調達コストを抑えやすいことです。

一方で、決算内容、借入残高、返済能力、今後の事業計画などを審査されるため、必ず希望どおり借りられるとは限りません。

特に重要なのは、「資金がなくなってから銀行に相談しない」ということです。

資金繰りに余裕があるうちから、今後6か月から1年程度の資金繰りを予測し、早めに金融機関と相談しておくことが重要です。

2.ファクタリング

ファクタリングとは、会社が保有している売掛金をファクタリング会社へ売却し、売掛金の入金期日前に現金化する方法です。

たとえば、取引先から2か月後に入金予定の売掛金を早期に現金化し、仕入代金や給与などの支払いに充てることができます。

銀行融資とは異なり、基本的には借入ではないため、銀行融資が難しい企業でも利用できる可能性があります。

ただし、ここで注意が必要です。

ファクタリングは、契約内容によっては手数料負担が非常に大きくなることがあります。

「すぐに現金化できます」「審査が簡単です」「銀行に断られていても大丈夫です」こうした言葉だけを見て契約してしまうと、実際に受け取れる金額が想定より少なかったり、継続利用によって利益が大きく圧迫される可能性があります。

資金繰りが苦しいからこそ、契約条件を冷静に確認する必要があります。

3.リースバック

リースバックとは、自社が所有している車両、機械設備、不動産などを売却し、その後リース契約を結ぶことで、売却後もその資産を使い続ける方法です。

つまり、「資産を現金化しながら、事業では引き続き使用する」ことができる資金調達方法です。

特に、車両や設備、不動産など多くの固定資産を保有している企業では、有効な選択肢になる場合があります。

一方で、売却価格が適正か、今後支払うリース料が過大ではないか、契約途中での解約条件はどうなっているかなど、慎重に確認する必要があります。

目先の資金だけを見て判断すると、結果的に会社の負担が増えることもあります。

資金調達には「危険な選択肢」もあります

資金繰りが苦しくなると、「今すぐ現金が必要」「とにかく今月を乗り切りたい」という気持ちが強くなります。

しかし、このような状況につけ込むように、高額な手数料を要求する業者や、内容が分かりにくい契約を迫る業者、実質的に非常に高い負担となる資金提供も存在します。

  • 異常に高い手数料を要求される
  • 保証金や事務手数料を先に振り込ませる
  • 契約内容を十分に説明しない
  • 会社や代表者の口座、カードなどを要求する
  • 「今日中に契約しなければならない」と契約を急がせる

資金繰りが苦しいときほど、「すぐに資金が出る」という言葉は魅力的に見えます。

しかし、資金調達方法を間違えると、一時的に資金が入っても、その後さらに資金繰りが悪化することがあります。

大切なのは「どこから借りるか」ではなく「会社全体の資金繰りをすること」

資金調達では、銀行借入だけ、ファクタリングだけ、リースバックだけ、と一つの方法だけで判断するのではなく、会社の財務状況や今後の返済能力を踏まえて検討することが重要です。

場合によっては、資金調達をする前に、

  • 借入金の返済条件を見直す
  • 金融機関との取引を整理する
  • 遊休資産を売却する
  • 資金繰り表を作成する
  • 不採算事業や固定費を見直す

といった方法の方が効果的なこともあります。

資金が底をついてからでは、選択肢は急速に少なくなります。

逆に、少しでも余裕がある段階であれば、銀行借入、ファクタリング、リースバックなどを比較しながら、より良い方法を選ぶことができます。

契約する前に、一度ご相談ください

  • 「銀行に相談するべきか分からない」
  • 「ファクタリングを勧められているが、本当に利用してよいのか」
  • 「リースバックを提案されたが、条件が妥当なのか分からない」
  • 「資金調達先から提示された条件が少し怪しい気がする」

そのような段階で構いません。

契約をしてしまってからでは、取り返しがつかないこともあります。

資金調達について迷ったときは、契約する前に一度ご相談ください。

どんな些細なことでも構いません。

電話一本で状況を整理するだけでも、選択肢が見えてくることがあります。

資金繰り、借入金、ファクタリング、リースバックなどについて不安がある経営者の方は、早めにお電話でご相談ください。

実際に現場でおきた話

実際に現場でおきた話をさせていただきます。

全て正直に話すように心がけていますが、時々本当に話しても大丈夫と思う事も正直あります。なぜなら・・・今後の支援内容が変わる事はないのか? 等を考えた時です。

リスケ中で、現状の規模に対し借入規模が非常に大きく全額返済するのに何百年かかるの?という企業様が今後の方向性を考えての相談をした時の話です。

金利がこれだけ上昇すると少しでも多くの元金返済をしたくてもできない。その結果全額返済するには何百年かかるからわからない。だから出口が見えないと正直に相談しました。

債権カットが可能ならばして欲しい。金利が上がらないようにしていただけるならして欲しい。代位弁済していただけるならして欲しい。が本音でした。

金融機関様の担当者の方から、『借りたものは返すのが当たり前!』『何甘い事言ってるの!』と言われるのも覚悟していましたが、その担当者の方は『企業様の言われる事はわかります』『債権カット等は難しいと思います』しかし『金利が上がった分を元金返済し金利を据え置けないか?』『それ以外に何か最善の方法はないか調べて検討してみます』と回答がありました。

色々な金融機関の方とお会いしますが、横柄な態度をとる金融機関様、上から目線の金融機関様、リスケが最大の支援ですと回答する金融機関様、形式的な対応をとる金融機関様が多い中、業績が厳しい先に対してもきちんと企業様を向いて一緒に考えてくれる金融機関様とお会いしたのはここ1年間で3回目でした。なんと支店は違いますが全て同じ金融機関様です。業績がいい時も悪い時も常に企業様を向いていてくれる金融機関様とお取引をしていきたいのが本音です。

私は少しでも皆様のお役に立ちたいと思っています。

以上

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