「中期経営計画を策定する」

金融円滑化法の期限切れの行方が、ニュース等でも取り上げられています。

銀行への経営改善計画書の未提出によって、リスケジュール支援が打ち切られる理由を与えてしまう可能性についてもささやかれています。

金融庁の監督指針の中にも、リスケジュール支援の大前提として、経営改善計画の提出とその進捗の確認が必要とされています。

そこで改めて確認したいことがあります。

何のために経営計画を策定するのか、です。

リスケジュールをおこなうために策定するのか、銀行から求められたから策定するのか、何のために経営計画は策定するのでしょうか?

計画書の名前は、経営計画書や、事業計画書、経営改善計画書、等、いろいろあります。
多少、名前は違えど、意味合いはすべて同じです。

経営方針を数値目標化し見える化する、そして、目標数値を追求し実績との差異を明確にし、次なる行動計画を策定するためのツール、それが経営計画書です。

銀行のため、債権者のために策定することもありますが、一番大切なことは、自社のために策定することです。

当然、作って終わりでなく、そこからがスタートとなります。

過去の決算報告書や試算表や総勘定元帳を分析し、また、自社内に限らず、業界や国内・海外にも目を向け、将来の予想をおこない、5か年程度の中期経営計画を策定するのが一般的です。

一度作ったら終わりでなく、毎年、策定します。
毎年、5ヵ年計画を策定します。

そして、計画1年目を12か月に分割し、毎月の月次試算表と対比させ、実績確認をおこないます。
計画予算に対しての実績を確認し、良かったにしろ、悪かったにしろ、その要因を明確にし、明日からの行動計画に反映させます。

こうなってくると、経営者ひとりだけではできないことも多々出てきます。
社員の方々にも計画を開示し、協力を求めなければならないこともでてきます。

社員全員で計画を共有できるのが理想ですね。

業績を伸ばしている企業は経営計画発表会を開いて、社員の方々や取引先と共有しているところもあります。
あなたも来年からは、毎年の経営計画の策定と、経営計画発表会の開催を検討してみてはいかがでしょうか?

脳は変化を嫌いますので、あなたにも抵抗感があるかもしれません。
ただ、変化がなければ、何も変わりません。
今の現状は、過去の蓄積ですので、変化しなければ来年も同じ1年で過ぎていきます。
来年は変化する1年にしてみませんか?