取り組み事例紹介 Case5
~経営者の意識を変えた どんぶり勘定の経営者意識を変えるところから始まった事例~
弊社訪問時の状況
お客様が抱えていた課題・要望
公共事業に依存した企業経営のため、
売上の安定化と長期的な成長戦略が描けない。経営を見直したい!
具体的な 相談内容 | ・経済環境の悪化により、公共事業が激減し売上が上がらない。 ・入札制度の変更により、以前ほど工事案件を落札出来ない。 ・原材料費高騰による原価の向上で利益率が下がっている。 ・運転資金調達のため借入を行い毎月の返済に追われている。 |
負債状況 | 借入金250M |
業種 | 建設土木工事業 |
年商 | 3億円 |
業績 | 売上が前期比40%ダウン |
短期的取り組み
STEP01 資金繰り管理の重要性を伝え経営者の意識を変える
まず、経営者の考えを変える所から着手した。従来は適正な原価管理をすることもなく、いわゆるどんぶり勘定に基づく経営を行っていた。その為、適正な契約価格を算定出来ず、赤字の工事案件も多数発生していた。
また、資金繰りに関しても足りなくなれば銀行に借りれば良いという考えで、資金繰り管理が全く出来ていなかった。
そこで、経営者に今までの意識を変えて頂く所からコンサルティングを開始した。
STEP02 費用支出の見直しと返済条件見直しによる資金繰りの安定化
まず、現状では営業収入から営業支出を差し引いた営業支出が毎月マイナスとなっていたので、費用支出を徹底的に見直した。
また、回収サイトと支払サイトを再確認し、資金繰り表の営業収支を黒字化した。
その上で、金融機関に対して返済条件の変更交渉を行った。この際、建築業者にとって手形の割引は大切な資金調達源であることを確認し、従前の手形割引の継続を金融機関に依頼し、応諾して頂いた。この結果、従来の手形割引を継続しつつ、借入金の月額返済額100万円を0円にすることに成功した。
結果、毎月のキャッシュアウトが無くなり、資金繰りが安定した。
中長期的取り組み
STEP03 経理・原価を管理する体制構築
資金繰りが落ち着いてきた所で、管理体制の構築を開始した。
まず、資金繰りの悪化原因となっていたどんぶり勘定を改める為、社内に経理体制を構築し、自社で月次の試算表を作成出来る様になった。具体的には前月の試算表を翌月10日までに作成出来る仕組みを構築した。
また、従来、赤字工事受注を行っていたのは、適切な原価計算が出来ていない事が一因と考えられた。そこで、市販の会計ソフトを用いて工事毎に損益把握が出来る様に原価管理体制を確立した。これにより無駄な工事原価を見積もり段階から削除出来るので、今後、他社に対して価格面で優位性の確保が期待される。
STEP04 今後”待ちの経営”から”攻めの経営”に転換すべく、新たな事業を提案中
公共事業に入札制度により売上の多くを確保している会社は、自らの営業活動によって受注をおこなう事が極めて難しい。この様ないわゆる待ちのビジネスモデルでは今後も政治的要因等、外部環境に会社経営が振り回される可能性が高い。
そこで、自ら動いて売上を確保することの出来る攻めの経営を行うべく、飲食店の店舗開発などの新事業を提案中。
その他の事例
▽ Case1 | 経営者であることを自覚させ、財務・実務の管理体制確立から開始した |
▽ Case2 | 資金調達成功と収益改善策の提案と実現 |
▽ Case3 | 取引先交渉による資金支出の抑制と、ボトムアップによる経営改善の提案 |
▽ Case4 | 金融債務支払の圧縮(銀行リスケとリースリスケ)と、危機感の共有 |
お問い合わせ
ご質問やご相談などお気軽にお問い合わせください