ある会社の1コマ <社員が会社を去っていく>

4月も中旬となり気温も上昇し、気持ちの良い気候となってきました。
出掛けるにはいい季節ですね!

今回は、『社員が会社を去っていく』についてのお話をさせて頂きます。

M社は、3名の役員+従業員6名で構成されていました。
メーカー向けプラスチック生産型の製作を中心に行っておりました。

生産型の受注は、モデルチェンジなどに伴い、受注量は増加しますが波が大きくあります。

一部、製品も手がけ生産型受注の落ち込みををカバーしておりました。

しかし、受注が順調の時は、よかったのですが予定数変更がメーカーより頻繁に行われるようになりました。

M社は資金繰りがひっ迫するようになりました。
社長が真っ先に手を付けたのが役員報酬の減額を行いましたが追いつかず、従業員給与の遅配を始めました。

当初は入念に説明し、支払日を明確にし、本人と相談し、必要金額のみは支払いを行っておりました。

数回遅延状態が続くことで、社長は感覚がマヒしてしまい、従業員の給与支払い遅延が当たり前のようになりました。
従業員も生活があり、3人が同時に退職願を提出!

社長があわてて説得をしましたがご家族の理解が得られない、このままでいくと生活が不安などの理由により2名退職となりました。

社長は、従業員が何も言わず、給与遅配を受け入れてくれていたため、『今回もいいや!』という甘えから行動をとってしまいました。

売り上げ減少の予測が立っていたのに対策を打たず、成り行きで経営してきた結果がこのような事態を招いてしまいました。
経営者は、長期展望を見据え、異常事態に迅速に対応し、従業員の生活を守る必要があります。
ただの駒として従業員を扱っていた結果がこの会社を窮地に追い込んだのです。
資金繰りに困ったときに何をどのように組み替えるか?が重要となります。

従業員給与の前に金融機関との条件交渉、社保・税金関係との分割交渉などが優先ではないでしょうか!