『 円滑化法終了後の金融機関の動向 』 -2013年07月10日号

金融機関

平成25年3月に中小企業金融円滑化法が終了し、はや3ヶ月が経過しました。

金融庁の指導もあり、条件変更の更新企業にあっては金融機関からも金融庁が出している書面をもって口頭で説明して頂ける所が多くなっています。

その甲斐あって、条件変更の更新に際してもこれまで同様、経営改善計画や資金繰り表などの諸資料の提出は必要ながら柔軟な対応をして頂けている所が多いです。

しかしながら、これから3年で現状条件変更している企業の大半が選別の土台にのせられているのも事実です。改善計画の進捗が概ね80%の達成度合いが必要になってきます。

この概ねというファジーな表現がミソで80%達成していても、お付き合いをしているメイン金融機関によっては、条件変更更新謝絶というのも当然にあり得ます。

よって80%達成すればいいんだろう的な考えは捨てて、改善計画を出したのであれば100%、120%達成してください。
それくらいの覚悟が条件変更をしている企業には求められます。

また最近現場での活動をしていて感じるのは金融機関が経営改善の進んでいない企業に対してコンサルタントを勧めるケースが、目立ってきています。

私が知るだけでもここ1ヶ月で東海地区最大クラスの金融機関が2社に対してコンサルティング会社を活用するように勧めました。

今後、この流れは増えてくる可能性があるので注視が必要です。

その理由としては大きく分けて3つあると私は考えています。

一つ目が一番大きな割合を占めるでしょうが、先ほど書いたように貸出企業を選別する為、これは自分たちの労力を使わず客観的に判断できる材料をそろえる事が出来ます。

二つ目は金融機関お抱えのコンサルティング会社を勧められた場合に限りますが、自分達と関係がある所を使う事で、対象企業を可視化する事でコントロールしやすくする為。

三つ目は単純に貸出企業の手助けをしたい為。

上記3つが挙げられます。

私は金融機関からのコンサルティング会社活用打診を断るなとはいいません。

私共も経営改善を軸にしたコンサルティング会社ですし、再生に向けてのきっかけになればこれ以上嬉しい事はありません。

考えて頂きたいのは中小企業の最大の利害関係者は誰か? という事です。もちろん金融機関ですよね(無借金の方は別として)。

利害関係者はその言葉通り利益と損害が相対しているものという事です。その為、一方が得をすれば、他方は損をするのです。

そこからの提案・紹介についてはただただそのまま受け入れるだけではなく、提案は提案として受け止め、目的を必ず聞くようにしてください。そして自社でも探してみてよいか?など相手の反応を伺う質問をしてみるとよいでしょう?

『ハイハイ聞いてたらあなたの会社…』の書籍ではないですが、仕入先が複数選択できるように、金融機関もコンサルティング会社も複数選択できる時代です。

まずは経営者自身が経営の目的をしっかりと定め、何が正しいかを判断して即行動!! これが出来れば可能性はグッと広がります。