『 外注管理の徹底を 』 -2012年09月12日号

私が以前、所属しておりました、プラスチック製造業のFRP成形メーカーのにて経験してきたことをお話しさせていただきます。

企業の業務のうち専門的なものについて、外部の別の企業等に委託することを外注といいますが、皆様、外注管理をされていることと思います。

一企業での業務が多様化するなかで、外部に一部業務を委託したほうが効率的な場合があります。総合的で複雑な内容の場合は、そうした外部企業との連携をスムーズに行うために、業務を調整し管理することが求められます。

外注管理の要点としは、外注方針の明確化・外注先の選定・合理的な単価決定・納期の管理・自社と同等レベルの品質確保・自主管理体制の確立・信頼関係の樹立・長期の外注計画の提示などがあげられます。

私も経験ありますが、発注元と受注側の品質の詳細規定、納期の管理、価格が不明確でとりあえず製作してもらうといった状態で進め、後々 自社が再製作を行い客先に対する、信用の低下、材料、人件費持ち出しによる不採算製品となりました。
いい加減なスタートは、間違いなく悪い結果を生みます。

外注先へ発注する仕事は、社内の仕事の一部と考えるべきです。

よって外注先の品質管理も、社内の品質管理の一部と考えることが大切です。

一般的には、社内より外注先の品質管理レベルが劣ることが多く、自ずと外注先の品質管理指導が必要になってきます。

品質管理には当然、手間とコストがかかります。外注先の経営者が品質管理を仕方なくやるケースと、品質管理の必要性を認識して、品質向上・コストダウンを目指すケースとでは大きな差がつくことは明らかです。

ある外注元の品質管理指導マニュアルには、冒頭に「品質管理の良し悪しは経営者の姿勢が第一である」として「次行程はお客さま」という方針を打ち出しています。これによって、外注先の経営陣に動機付けを促しています。

外注品の品質が悪い場合には、どのような問題が起きるでしょうか。
ちょっと考えてみたいと思います。

  • 外注元での手直し品が増加して、材料費がかさみます。
  • 外注品を組み合わせて完成・納品した製品にクレームが発生し、交換費用、通信費、営業担当者の旅費・交通費など余分な経費が発生します。
  • 外注品の不良によって製品が返品となり、食料品などは再生不可能となって、外注元に製品コストのすべてがのしかかります。
  • 最悪の場合、得意先から取引停止を宣告され、大きな売上を失います。

以上のようなことが発生しないよう、外注先での品質保証体制を確立する必要があります。

品質保証は「基準」および「事実」に基づいて構築されるべきです。基準と事実が蓄積されて、品質に関するノウハウが蓄積され、品質保証体制ができ上がってくるのです。

ここで言う「基準」とは、検査基準、作業標準書、保管基準書、作業指導書などであり、「事実」とは、検査成績書、作業報告書、クレーム発生対応報告書などです。

外注先にもこのようなノウハウの蓄積を行ってもらい、自主的に品質保証を行えるように支援していくことが、外注元に有利に働くことは間違いのないところです。

外注先の品質管理の指導を行っていくうえで、まず必要になってくるのが、外注先の実態把握です。この実態把握を行うには、「外注先チェックリスト」というようなものを作成・活用して、有効な調査を行います。

外注チェックリストの結果をもとに、外注先での課題を抽出し、適切な対処を行ってください。

新たな「基準」が必要であれば作成を指導し、その基準が守られているかの「事実」を検証できるものの作成指導を行ってください。

この繰り返しによって、外注先の自主的な品質保証体制を構築して行くことが重要です。

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