▼Q.70 愛知県の方からのご相談です。「銀行は決算書のどの部分をよく見ているのでしょうか?」(メールによるご相談事例)

▼A.70

私の前職は銀行に勤めておりましたので、当時どの部分を見ていたかお話しします。

まずは損益計算書についてです。損益計算書には営業利益、経常利益、当期利益と3種類の利益があります。
営業利益については、本業の利益、経常利益については、支払利息等の支払後の利益、当期利益は税引き後の利益が計上されています。よく当期利益が黒字であればいいのじゃないかと思われる方もあるかと思いますが、当期利益は特別損益が計上されておりますので、一過性の赤字、黒字が隠れております。
銀行は決算書をいただいて、一過性の有無の判断をしておりますので、当期利益は重視しておりません。一番重視するのは、経常利益です。
経常利益は毎期経常的に発生する利益であり、しかも支払利息を払ったあとの利益ですので、ここを一番重視して見ておりました。

次に貸借対照表についてです。貸借対照表も損益計算書同様、実質の数値にて評価し①純資産②借入金③その他勘定の順で見ています。
純資産については、赤字が続いて資本金を食いつぶした状態を意味し、借入金については借入先、借入の残高が適正化見ています。その他については、実質とかけ離れていないかを見ています。

今回決算書の見る部分を損益計算書、貸借対照表に分けて話しましたが、どちらにしても全て実質でみている事だけは覚えておいて下さい。

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