『 キャッシュ・フローについて 』 -2014年04月16日号

今回はキャッシュフローについてお話しさせていただきます。
キャッシュフローとは、現金の流れを意味するもので、現金の収支を把握する為に、企業の活動によって実際に発生した収入から支出を差し引き手元に残ったお金の流れの事をいいます。

このキャッシュフローには、営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フロー、財務キャッシュ・フローがあります。
この各々のキャッシュ・フローについて説明します。

1.営業キャッシュ・フローとは

企業が商品を販売したり、サービスを提供したりして得た収入から原材料等の支出を差引、営業活動から得られる現金収支を明らかにしたものの事です。
この営業キャッシュ・フローには、直接法と間接法があります。

  • 直接法とは
    営業取引上の全ての資金の取引を把握し、合算する方法です。
    お金の流れは把握しやすいが、作成に手間がかかるのが問題点です。
  • 間接法とは
    損益計算書の税引前利益に調整を加えて表示するもので、税引前利益とキャッシュフローの違いの原因分析が容易になり、一般に広く採用されています。

ちなみに配当金や利息は投資キャッシュ・フローに記載されることも認められておりますが、営業キャッシュ・フローとして記載されている事が多く見受けられます。
営業キャッシュ・フローはプラスが基本となります。つまり本業でキャッシュを稼ぐことができるかどうかを判断する為に非常に重要となります。マイナスとなった場合は、借入を行う、設備投資を控える等の影響が出る事になります。

2.投資キャッシュ・フローとは

工場の新設、ビル建設、トラック購入等固定資産の取得の現金支払いと資産売却による収入の事を言います。
固定資産を取得した場合は、投資キャッシュ・フローはマイナスとなり資産を売却した場合には、投資キャッシュ・フローはプラスとなります。

事業を維持していく為には、設備投資は必要であり、将来的に営業キャッシュ・フローを増加させる投資であれば、必要範囲内で行う必要があります。設備投資といっても全て新たなもので行う場合もあれば、中古リース等で行う方法もあるのです。いかに出ていくお金を少なくし、必要なものを購入するのか投資キャッシュ・フローを調整する事が必要となるのです。

3.財務キャッシュ・フローとは

財務キャッシュ・フローは主に金融機関からの借入による資金の調達と金融機関からの借入の返済による現金の収支の事を言います。
この財務キャッシュ・フローを見る事で企業が今資金を必要としているのか、そうでないのかを判断する事ができます。

例えば、本業が低迷して資金繰りの厳しい企業様は、借入が多く発生する為に、財務キャッシュ・フローはプラスになり、本業が好調に推移しており、現金が豊富にある企業は、返済を優先する為財務キャッシュ・フローはマイナスとなります。
つまり、その企業の財務状態を判断する事ができます。

キャッシュ・フロー計算書は、実際のお金の流れで会社の実態を表す財務表で上記の3つのキャッシュ・フローにわけて作成されています。
この計算書を読み込むことで、お金の流れを把握し、倒産リスクを見極めたり期初と期末のお金の流れの変化を読み取ることができ、会社のお金の状態が丸わかりになるものです。

一度自社のキャッシュ・フロー計算書を確認してみて下さい。
自社のお金の流れがきっと把握できると思います。

以 上

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