『 現金預金残高の把握は当日中に可能である 』 -2014年11月05日号

御社も、毎月、月次試算表を作成し、業績の把握をしていると思います。

当月の実績を出し、それを予算や前年同月と比較することで、現状を確認していることでしょう。
この場合、いかにタイムリーに経営者に数値報告をするかが、経理担当者にとって重要な業務になります。

正確性を気にするばかりで、1か月以上経たないと試算表が出てこない状態であるならば、その間の改善活動ができません。

よく、PDCAをまわすことの重要性が説かれていますが、ただ、「まわす」だけでなく「高回転でまわす」ことが大切になります。
月次試算表をつくる場合、タイムリーに月次試算表が作成されている状況にあるか、確認してみてください。

事例を2つほど挙げます。

A社は、自計化で月次試算表の作成に取り組んでいます。
月次試算表が出来上がるのに、1カ月間かかっています。
この間、経営者は、当月の実績がわからないため、会社がどんな状態にあるのか、把握することができません。
また、1か月後に業績がわかっても、改善活動が後追いになってしまっているため、結果、活動の成果も、遅くなってしまいます。

B社も、自計化で月次試算表の作成に取り組んでいます。
ただし、月次試算表は、2段階に分けて作成しています。

第1弾は、現金預金の入力を済ませたもので作成します。それも当日中(月末)に作成を完了させます。
そうすることで、現金預金残高の当月実績・予算比較・昨対を検証し、対策をいち早くおこなうことができます。

現預金残高と言えど、予算に対してどうか、昨対はどうか、がわかれば、業績がよくなっているのかどうかは、経営者であれば、ある程度はわかるのではないでしょうか?
(わからない場合は、「仮説」を立ててみてください)

第2弾として、損益の把握をおこないます。
ここで出た実績が、第一弾の想定通り(「仮説」どおり)となっているのか、再度、検証してみてください。
合っていれば継続して改善活動をおこなえばよいですし、間違っていれば、すぐに方向転換すればよいです。

そのまま動かないことが、一番危険な場合もあります。

A社とB社の違いがお分かりになるでしょうかわかるでしょうか?

経理体制が整っている、と言ってしまえばそれまでですが、両社とも自計化しているのであれば、同じタイミングで月次試算表を作成できるはずです。

また、うちの経理がやってくれないから、というものでもありません。
これは、こうしたいという「経営者の意思」を反映させることで、必ず、どなたでも、できることです。

経営者の判断材料としての月次試算表を有効に活用する、という意思を経理担当や社内に示してみてください。

この度の情報が、ご参考になれば幸いです。

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