売上目標が、会社を倒産させる

会社が苦境になる要因は、無意識的に

「売上しかみてない」

ことが原因の根本であることに注意が必要です。
管理するべきは利益なのに、つい忘れられることを確認します。

◆売上増⇒運転資金増、だけではなく、利益が減る?

売上目標だけで企業を運営すると、黒字倒産の引き金になることは有名です。

売上が増加すれば、運転資金も増加することが要因であり、資金が追いつかなくなることで、どんなに黒字であっても資金がショートしてしまうこと。

しかし、問題は短期的な資金繰りに留まらず、中長期においては収益も悪化させていることを見過ごせません。

売上だけを目標としていることで、現場では

売上欲しさに「販売単価が下がり」
単価が下がるので「コスト(率)が上がり」
利益(率)低下⇒赤字化します。

資金繰りだけでなく、損益においても不利を招くのです。

問題はそれだけではありません。

◆売上は「会社全体の作業量」

売上は何、と言われれば経営上では色々な表現があります。

「会社(の商品・サービス)に対する期待・支持」
「会社の社会に対する影響度」

等々ですが、ここでは「会社全体の作業量」としてみましょう。

同じ利益なら、作業は少ない方が質の維持が容易ですし、何より皆の負担が少ないですよね。

よく、
「赤字取引と知ってはいるが、人のしがらみで止められない」

という赤字売上の理由を伺います。
程度の問題はあるにせよ、私がどうしても賛成しかねる最大の理由は

◎その売上は、社員が全く報われない作業であることを、経営者が知っていてさせている

ことにあります。社員のためにも、赤字取引は全力で取引条件を改善するか、取引中止を目指すべきです。

社員あってこその会社なのですから、社員に無駄な作業をさせてしまうのは、もったいないのです。

あくまでも、企業の存続可能性は短期的には資金繰りが保障してくれますが、中長期的には利益が可能性を広げてくれます。

必要な利益を、どのように出していくのか、損益計算書を下から組み上げて、最後に売上が定義されるくらいが、丁度よいのです。

 


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