『 融資力をつける 』 -2014年12月10日号

経営者が成さねばならない事には大きく分けて私は3つあると考えています。

1つめは
【戦略を立案する事】

2つめは
【人を育てる事】

3つ目は
【資金を調達する事】

です。

今回は3つ目の資金を調達する事についてお話をさせて頂きます。

資金の調達方法は大きく分けて2つあり、外部金融と内部金融になります。また外部金融・内部金融共に更に自己資金と他己資金に分かれており、合計4つの調達種類があります。

外部金融の自己資金でいえば、出資金など返済義務が無いものが代表的な例ですね。また外部金融の他己資金でいえば、借入金や社債(私募債含む)が該当していきます。

また内部金融の自己資金というのは投資有価証券や棚卸資産など自分の判断で変化可能なものを言い。内部金融の他己資金というのは売掛金・買掛金・未払金など相手との交渉によって内容が変化してくるものを指します。

本来、企業の資金調達手段の取組み順序で考えた時には内部金融(自己・他己)→外部金融(自己・他己)で考えるべき事ではありますが、社会的弱者に位置付ける中小企業においては、もっぱら中小企業の圧倒的な資金ニーズには外部金融の他己資金である借入金、特に銀行融資に頼っている事が非常に多いのです。

これは中小企業の社会的弱者という特性上、内部金融においては自己の部分にはまだメスを入れられるが、内部金融の他己の部分と外部金融の自己の部分においては出来る出来ないがはっきりしており、銀行融資に頼らざる得ないという部分もあるのです。

銀行融資には自社の格付けと債務者区分がどこに位置しているかが非常に重要になってきているのは、中小企業金融円滑化法が施行されて、広く知れ渡る事になりました。

昨今の金融機関対策を中小企業経営者の方にお聞きしていると、自社の債務者区分について融資担当者から教えて頂けている方も少なからずいらっしゃるようです。しかしながらそこから踏み込んで、格付けがどうだ何が良い悪いというのはほぼ話してくれません。

企業側としては債務者区分は分かって今の銀行融資がどの程度借りられるのかは分かると思います。あとどれだけ弊社は借入することができますか? と単純に聞けば分かりますよね??

しかしながら企業側が本当に知りたい内容は、どうすればより融資条件をより良く出来るのだろうか? =融資力をつけれるのだろうか? という点に尽きるのではないでしょうか?

銀行員特に融資担当者は格付けまでは必ず把握していますが、格付けや債務者区分は決算書を基に70%~80%を作成される為に融資担当者が格付けに直接的な影響を与える事は少なく、どの様にして格付けが決まっているのかを理解していない(理解する必要が無い)担当者が多いのもまた実務の世界ではよくある事です。

利益を出してください、純資産をマイナスさせるような貸付金や仮払金などの勘定は増やさないでくださいと言われる事があると思いますが、ではいったい利益をどこまで出せばよいのでしょう、不明な勘定は0でないとダメなのでしょか? この点について答えられる銀行の融資担当者は少ないでしょう。

何をどこまで行えば、取引先の格付けが上げられるのか? その仕組をまずは経営者が知る事・体感する事で、自社の資金調達の課題を知らねばなりません。

自社の課題を知った上で、保証協会付融資しか受けれていない企業は、プロパー融資への切替をどの様に行うべきなのか?
プロパー融資に切替わった企業は経営者の保証に関するガイドラインをどの様に活用するのか?保証人を外すのか?新たな資金調達の糧とするのか?行動を取り続けなければなりません。

企業は資金が無くなった時、終わりを迎えるのです。
経営者の成さねばならない戦略・人材・資金の内、資金は戦略・人材の実現をサポート(補完)する役目です。

転ばぬ先の杖として弊社の融資力診断サービスもご活用ください。

今週もありがとうございました。

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