メインバンク制に頼ったら、企業は潰される? -2017年09月27日号
『 メインバンク制に頼ったら、企業は潰される? 』
事業性評価やライフステージ、金融仲介機能のベンチマークといった
新制度により、昨今銀行の対応に変化が起こりはじめたのは
間違いありません。
特に、金融仲介機能のベンチマークの中でも、全地域金融機関に求められる
共通ベンチマークの中には
「金融機関がメインバンク(融資残高1位)として取引を行っている企業のうち、
経営指標(売上・営業利益率・労働生産性等)の改善や就業者数の増加が
見られた先数(先数はグループベース。以下断りがなければ同じ)、及び、
同先に対する融資額の推移」
というものが一番目に記載されており、
メイン取引を行っている中小企業に対しては、メインバンクとして積極的に
支援取組みを行うことを求められています。
売上や、利益率に関する銀行員からの質問は、増えているのでは
ないでしょうか?
◆メインバンクの横暴が始まる?
メインバンクというのは、率直に言って銀行にとって
「自分たちの言うことを聞かざるを得ない企業」でもあります。
何しろ、メインバンクが蛇口を閉じてしまえば、企業がどうなるのかは
明らかですから。
既に半分以上の地方銀行は、本業(貸付業務)では赤字化している
といわれる今日、「メインバンク」は企業に何をしているかというと…
以下、私(弊社)が実際に企業経営者から伺った内容です
・融資実行後に保険の加入を半ば強制され、かつその保険に
担保(質権)をつけられた
・リスケ中に不動産売却の話をもってきた。売却自体はOKだったが
「他社との競合」を拒否、売却時に仲介手数料をその
「メインバンク」に支払うことになった。
他に、もっと高額での打診があったにも関わらず。
・事業譲渡の話をもってきて、売れ、売れと言って聞かない。
事業は既に黒字を回復しているのに。
M&Aの仲介手数料が欲しいとしか思えない
…メインバンクであることの支援が、銀行が手数料を受け取るための
サービスの押し売りになっているわけで。
それも会社の存続については(経営者の望む方向で)考えているとは
思えない方向に振れている事象が起こり始めました。
◆企業の自衛のため
むしろ、これまで以上に企業は自らを守るため、
銀行(地域金融機関)に対して対応しなくてはなりません。
私としては、お手伝いさせていただいている全ての企業様に
・一つの金融機関に融資シェア50%超には、絶対にしない
・メインバンクとの取引が切れてしまっても、資金繰りが可能である
ことを前提としています。
頼らなくてはいけないというのは、過剰な要求を受けても
断れない、ということです。
そんな状況に追い込まれてはいけませんし、
なってしまっていたら一刻も早く、脱却するべきなのです。
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