『 設立間もない会社の仕入取引 』 -2018年04月25日号
M社は、N社(総合商社)とK社(配電盤などの製造メーカー)をそれぞれ退職した3名で設立した会社です。
主にプラスチック材料、副資材などの販売と配電盤の製造を行うため設立しました。
当初は、自分たちがもともとやっていた業務ですので仕入は、N社、K社の力を借りて取引を行っていました。
ただ、顧客が増加すると他の取引先(仕入先)の確保が必要となってきました。
富山県のプラスチック材料商社より土木で使用する不織布の依頼がありました。以前購入していた会社が倒産し、M社に打診がありました。何社か相談したが入手できず、困っての相談でした。
メーカー名、品番は明確でしたので早速、大手繊維メーカーに問合せをしました。どこの部署で扱っているかを探していただくだけでも時間がかかりました。担当部署の方と話しましたが予想通り直接取引は、できないとの回答でした。
ある程度は、予想していましたがあっさりと断られました。大手繊維メーカーは、特に1次店、2次店、3次店と裾野が広くなっています。2次店、3次店を紹介してもらっても取引可能性は低いため、担当者は、大手繊維メーカーと相談し、先払いを提案しました。
この条件でも取引しないといった企業は、多いですがこの件では了承していただきました。品物は30,000円/ロールと高額ではありませんでしたがM社が代金を負担し、未回収なったときのリスクを考え注文を頂いた会社にも前金で振込みを行っていただきました。
取引は、順調に推移しました。
また、別の事例では大手化学メーカーから化学薬品の注文を頂きました。
毎月注文をするとの条件でした。仕入先は、大手薬品メーカーです。
大手薬品メーカーからは、何回も呼び出しがあり、定期の担保、保証金を入れてほしいなどの要望があり、いろんなところから調査が入りました。
事務を担当していた女性に電話がありM社の内容を確認してきました。
仕事が終わってから外で会社の内容を聞きたいなどの要望もありましたが上司に報告し断ったという経緯もありました。
大手薬品メーカーからするとなぜ大手化学メーカーがよくわからないM社に注文するのか謎だったようです。
担当者の人間関係が受注をもたらしました。
M社は、お客様の要望に応えようと様々な工夫しました。
工夫をすることは、悪いことではありません。特に設立間もない会社は信用もお金もありません。
無理をすることで自社の資金繰りの圧迫、業務への大きな負担を考え取引を考える必要があります。
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