『 円滑な承継の準備 と 代表者保証 』 -2018年09月12日号

後継者がいないため、企業存続ができずに廃業に至るパターンが増えてきております。

後継候補者は何がネックになって、会社を継ぐことを避けているのでしょうか?

現代表者と後継候補者が親子であれば、親心で、こんな大変な仕事はさせたくない、という想いから自分の代で最後にしようとしているのかもしれません。

後継候補者が、子ではない場合はどうでしょうか?

社員の中に、現代表者のお眼鏡に適った人物がいれば、大変な仕事でも、継がせたいと思うでしょうか?

また、後継候補者に抜擢された社員側としても、社長業をやりたい、と思うのか、様々な要因を検討し、社長になることは難しいと判断するのかもしれません。

100社あれば100通りの承継パターンが存在することでしょう。

赤字企業であろうが、多額な借入金があろうが、債務超過であろうが、継ぐ意思を強く持っている後継候補者もいます。

そうしたときに気にかかるのが、代表者保証です。

後継候補者からすれば、代表者なのだから個人保証をするのは当たり前、という考え方があるかもしれません。

しかしながら、後継候補者のご家族からしたら、何かあるかわからない企業経営において、万が一のことも考えるかと思います。

そうしたご家族を安心させるためにも、代表者保証を外すという取り組みは、とても重要です。

最近は、経営者保証ガイドラインというものが浸透しつつあります。

ざっくりと言いますと、経営者(代表者)の信用保証に頼らなくても、法人がしっかりとした財務基盤を築いていれば、個人保証に頼らず、融資による資金調達ができるというものです。

東海地方でも少しずつではありますが、代表者保証を外す金融機関が増えてきております。

そうした中、依然として、頑なに経営者保証は外せない旨を主張される金融機関も存在します。

同一企業に対して、こうした違いが出ることは、金融機関の事情もあるので、別におかしなことではないのですが、近々の承継を念頭に置いている企業経営者としては、より良い状態で引き渡したいと思うのは当然なことで、承継する前に代表者保証を外しておきたいと思うのは、至極、普通な考え方です。

こうした代表者の想いを一緒に考えてくれる金融機関と付き合っていきたいですね。

そのためには面倒ではありますが、いろんな金融機関担当者と話をする必要があります。

各金融機関の考え方を聞いて、これからも次世代で長い付き合いをしていくところを見定めましょう。

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