『 愛知県の地方銀行における条件変更からの正常化への対応 』 -2019年03月06日号
最近、愛知県における地方銀行が主導になった条件変更中の企業の正常化への取り組み事例がいくつか出てきましたので、紹介させていただきます。
地方銀行によって対応の差が出てきているように感じています。
これまでは企業の収益力が上がってきていても、純資産の毀損が大きかったり、まだまだ脆弱であったため、なかなか条件変更状態を脱却することができませんした。
それが最近は、保証協会の経営委サポート会議というバンクミーティングのような仕組みを使って、作成した経営改善計画に基づいて、借換えや借入の一本化を進めるというものです。
以前より、こうした仕組みはあったのですが、現場(金融機関の支店や担当者)の認識が薄かったり、保証協会が認めてくれなかったり、悔しい思いをしてきました。
ようやく国が押している取り組みが現場まで下りてきた印象があります。
東海地方、特に愛知県は全国的には景気が良い地域とされています。
国の基幹産業となった自動車製造関連の企業がたくさんあるおかげですね。
これは優良企業がたくさんあるということですので、金融機関にとっても良いことです。
逆に言うと、経営状況の良くない企業に対して注力する必要性は薄い、とも言えます。
金融機関担当者からしても、優良企業に新規の貸出や、その他の商品を提案をした方が本人や支店の成果につながりますので、当たり前といえば当たり前の対応とも言えます。
ただ、それが地域金融機関としての対応として良いのか、となると話は別です。
地域社会の維持・発展を図ることが重要な使命であり、こうした地域の活性化に向けた取り組みが必要なはずです。
そう思っていただけたのかどうかはわかりませんが、愛知県の地方銀行においても動いてくれる金融機関が出てきました。
それとは逆に、動きが鈍い地方銀行も存在します。
その地方銀行は自分が関わった企業においても、結局、借換えの対象になり、全額を他行の借入に振り替えられるという形になりました。
支店担当者としては何とかしたかったようですが、本店の動きが芳しくないのか、全額を失うことになりました。
この地方銀行にとっては今はまだ小さな影響かもしれませんが、金融機関業界の収益の悪化は今後益々進んでくると思われます。
こうした小さな影響は、いずれは大きな影響になって金融機関自体の経営に影響してくることでしょう。
自社の取引銀行が、どういった立ち位置の金融機関であるのか、特に愛知県の金融機関と取引のある企業は、支店や担当者の動向にこれまで以上に、ご留意くださいませ。
この度の情報が、ご参考になれば幸いです。
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