『 生産性の向上とは 』 -2019年08月22日号
◆「生産性」指標の基本
新たな中小企業評価の指針である、ローカルベンチマークによれば、生産性に関する指標は
- 労働生産性 (営業利益/従業員数)
- 営業運転資本回転期間
((売上債権+棚卸資産-買入債務)/月商)月
の二つが提示されています。
労働生産性については、「従業員一人あたりの利益」という人に対する生産性と言えますし、営業運転資本回転期間については、「運転資金の回転期間が短い=資金が効率的に回っている」という形で、手許の当座資産の生産性(効率性)と言うことができるでしょう。
この二つは、これまで直接的に、という意味では銀行の財務評価で登場することが少なかった(今会社が清算されても貸したお金を回収できるか、という意味ではあまり重要ではない指標)でしたが、「生産性」の改善を基盤に「稼ぐ力」を持つ企業を救済する、という点では確かに、これまでよりは妥当な考え方なのでしょう。
さて、この背景を確認しましょう。
◆背景にあるのは「自社努力による改善」を浮き彫りにし、経営者自身の評価をすること
どうして、人や資産の生産性改善に焦点が当たるのでしょうか?
何故かというと…、人や資産は元々会社が持っているものであり、その生産性(効率)の改善は、景気や災害など、経営者自身の努力ではどうにもならない環境変化の影響を受けにくいものだから、です。
別の言い方をすれば、売上は相手が了解しない限り発生しませんし、震災などの天災や、リーマンショックなどが起こってしまえば
中小企業にはどうしようもなく落ち込んでしまいます(例え、一時的であっても)。
しかし、生産性は、売上が上がれば上がったなりに下がってしまっても下がったなりに、経営者と会社の努力で改善が可能です。
つまり、
経営者自身の改善努力が最も浮き彫りになるポイントだから
です。
そんな内的要因=生産性を重視することで、企業・経営者自らの改善努力を評価しようというのがローカルベンチマークによる生産性評価の背景です。
何より大事なことは、経営者が自らの努力と成果を証明して銀行からの協力を得ることにあります。
御社の生産性向上のポイントはなんでしょうか?
それによって、指標はどれだけ改善が見込まれますか?
是非ご検討いただくと、銀行交渉はもとより御社の経営そのものが改善する切っ掛けになります。
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