『 消費増税に伴い資金繰りで意識しておくべきこと 』 -2019年10月02日号

2019年10月01日から消費税率が原則10%になりました。
(なってしまいました)

ともあれ、外部環境の変化に対応していかなければなりません。

出先でコンビニのコピー機で資料をプリントアウトすることがあるのですが、先月の9月末と今月の10月01日でその機械があり、行ってきました。

金額に変更があるかな、と思っていたのですが、結果は同じでした。

消費税率は8%から10%に変更されていますので、企業側が負担してくれていることになります。

一般消費者の立場としてはありがたいとともに、仕事柄、企業側の負担の影響を考えずにはいられません。

税金ですので損得で考えてはいけないものかもしれませんが、公正な負担になるように願いたいものです。

それで、消費税が増税されたことに伴う資金繰りで起こることをお話ししたいと思います。

5年程前に、消費税が5%から8%に上がったときにも生じたことですが、記憶を辿らなければいけないかもしれませんね。

実は、消費税課税事業者である企業にとっては、消費税というものは、税金としては実質的な負担はありません。

仮に預かっている消費税から、仮に支払っている消費税の差額を納付するものですので、実質的な負担はないことになります。

負担しているのは一般消費者です。

しかしながら、企業側としては、実質値引きという恐ろしい影響が生じかねません。
(前述したコンビニでのコピー代金のようなものです)

この実質値引きは、当然、会社の損益にもマイナスの影響を与えます。

加えて、前回の消費増税のときを思い出していただきたいのですが、売上に伴う仮に預かる消費税の金額が増えることから、一時的に現預金の残高がそんなに変わらなかったり、場合によっては増えます。

資金繰りに影響がないとか、場合によっては楽になったような気さえするのです。

実質値引きと、仮に預かっている消費税の増加、マイナスとプラスが相まって打ち消され、これまでとそんなに変わらないような気分になってしまうのです。

これは実態がつかめておらず、非常に怖いことです。

一時的には、実際に資金繰りへの影響は大きくないように感じられるかもしれません。

ただし、決算を組んで納税のタイミングが来ると、認識の誤りに気付くことになります。消費税の納税額が大幅に増えていることに。

企業側にとって、8%分だったものが10%になれば、2割増しとも言える大増税です。

資金繰りが厳しいな、と感じていらっしゃる企業様は、そのことを念頭に入れた上で、先を見据えた資金手当てをしていってください。

また、実質の損益を明確にするために、月次の試算表をタイムリーに作成してください。
(税抜経理が望ましいです)

そうすれば、資金繰りでなく、損益のマイナスに、いち早く気付くことができます。

実際、そうしていかなければ、生き残れない時代になってきていると感じています。

この度の情報が、ご参考になれば幸いです。

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