『 愛知県の製造業が自社の役割を見直す事例 』 -2020年10月29日号

今回は、『愛知県の製造業が自社の役割を見直す事例』についてお話をさせて頂きます。

M社は、プラスチック製造メーカーです。
製品を受注し、納品を行っております。
製品は、自動車の中に組み込まれるもので精密さを要求されます。

自社工場では、10名の社員が製造現場で働いており、それぞれの役割があり毎日、工程をこなしています。

ある日、発注もとよりクレームの連絡がありました。
製品のバリがあり組み合わせる部品に組み込めないというものです。

製品は、成形後バリを手加工でとり品証にて、寸法を測定し出荷するという工程です。

早速、クレーム内容を品証の担当者に伝え各チェックポイントの見直しと注意点を伝えました。また、組み合わせる製品を入手し、組み合わせチェックを追加することにしました。
同時にバリ取り加工を行っている担当者にも同様に伝えました。

製品は、その後問題なく納品を行っていましたが、社員の一人からある日、この部品は何に使われているのですか? と社長に質問がありました。
M社では、各製品別にマニュアルを作成し、各工程に保管されています。
すべてを把握して、製品を製作していると 社長は思い込んでいました。

他の社員とも話をしましたが自社が生産している製品がどのような機能があり、どこに使われているのか把握している社員は、責任者ぐらいで他の社員は、あまり知らないといった状況でした。

そこで社長は、皆を集め自社が受注している製品がどこに使われているのか!
重要性、必要な機能や寸法などの話をしました。
ただ、伝わっているという確信がありませんでしたので定期的に少しづつ伝えていくことにしました。
また、SNSなどで自社のグループを作り、製品情報を発信することにしました。

結果、社員から『今までは、単なる部品の生産でしたが自動車の重要な部品の生産をしていることがわかり、丁寧に作っている』などの声が寄せられました。完成品(最終品)がわかることで意欲が増し、行動も変わったようです。

効果はあり、社員から製品に関する質問が来るようになりました。
より身近に感じられることができたようでその後、クレームはなくなりました。

皆さんに興味を持ってもらう方法、伝える方法を模索していくことが重要です。
社員の方が自社のことを今以上に理解することで、更なるお客様満足を提供できるのではないでしょうか!!

この内容が何かのお役に立てば幸いです。

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