『 勘定科目の使い方 』 -2021年06月16日号

社長の会社の勘定科目はどの様に設定していますか?
税理士先生や会計事務所の担当者と勘定科目について、どの様な打合せをされていますか?
自社の経営成績を知る上では、勘定科目の使い方によってその社長がどの程度、財務を重視しているかの一端を知ることができます。
その為に、上記2つの質問はよく聞いています。

自社の経営数値は仕訳と勘定科目を通して、試算表や決算書という形となって現れます。ということは、自社の形が数値で見える会社は勘定科目と仕訳を意識して設定しています。

資産と負債の勘定科目の設定方法は、別の機会があれば、お伝えするとして、今回は皆さまがイメージしやすい費用科目について例を出しながらお伝えできればと思います。

変動費・固定費で分けて勘定科目は設定してくださいなんて、初歩の初歩的なことはいいませんので、それすらも出来ていない方はまずそこから初めてみてください。大事なのは科目毎です。

では費用科目(販売費及び一般管理費)はどの様に設定していくのが良いのか? その根本となる考え方は、投資効果を測る必要性がある内容なのかどうか? です。

分かり易い例が『旅費交通費』と『広告宣伝費』です。
この2つはどの会計ソフトにもデフォルトで勘定科目を設定してあります。

『旅費交通費』と言えば、一般的に出張時にかかる電車代、タクシー代、宿泊代、ガソリン代、有料道路代や社員の交通費等が上げられます。
また『広告宣伝費』と言えば、折込チラシ代、Web広告媒体代、求人誌代、PCC広告予算、チラシ代を入れたりもしますね。
上記勘定科目を選択する判断基準は何でしょうか?

『旅費交通費』は移動にかかる費用
『宣伝広告費』は自社を広く知ってもらう費用

といったところでしょうか?
上記判断基準で投資効果って測ることが出来ますか?
会計的税務的には一纏めで良いでしょう。
特に何が違う訳でも無いですし。。。。
ただ経営財務的には中身が重要なので、これではダメです。

『旅費交通費』には社員に毎月固定で支払う通勤手当。営業が案件獲得に向けた活動費用。社員の拠点間の移動費用。
役員等役職者にのみ許される交通費等ありますよね。

『広告宣伝費』にはチラシやPPC広告等超短期的な集客・販売を目的にした広告。Webサイト更新費用・ブランド広告等長期的な効果を見込んだ広告。採用媒体費用等の社内リソース拡充に向けた広告等がありますね。

この中身の違いをを検討して、勘定科目の再定義をしてみてください。
再定義すると戦略的に管理すべき勘定科目とそうでない勘定科目に分けることが出来ます。

『旅費交通費』では 営業交通費と通勤費と役員交通費に分けて、営業交通費は担当毎で売上との関係を分析、役員交通費は予算内に入っているか管理している会社もあります。

『広告宣伝費』では、広告宣伝費と採用費をまずは分けてみるのがいいでしょうね。

勘定科目の多さなんて気にしないでいいですよ。
大事なのはパッと見の分かり易さと管理しやすさ。
毎月変動の無い固定費なんて極論見なくても良いくらいです。

自社の経営戦略上の管理すべき内容と勘定科目を設定して、それに会計制度自体を変えていく。会計税務に合わせる必要はありません。経営財務に合わせればいいのです。
これをやると試算表が活き活きとしてきます。

ご安心ください。正直、ここまでやられている方は全中小企業の30%程度だと思います。

ただ継続して儲かっている会社は、必ずやっています。
裏を返せば、やらないと儲からないのかも?

【管理は最小に!効果は最大に!】

IT経営財務ではこれをクラウド会計ソフトを使ってまずは、当たり前に行えるようにしています。

今回の内容が、自社の発展に少しでもお役立ち出来れば幸いです。

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