『 相続と事業承継の時に問題となるのは経営者保証です② 』 -2023年05月17日号
相続と事業承継の時に問題となるのは経営者保証(連帯保証)です。
それぞれの場面を見ていきたいと思います。
今回は相続についてですが、まず大前提が連帯保証債務は相続においても引継がれるということを覚えておいてください。
最近でも、コロナ融資の借換において経営者の方から、金融機関担当者が経営者保証については、自分が亡くなっても引継がれることはないと言われたのだが本当なのか? と聞かれました。
それが東海地区でそれなりの規模で存在している銀行マンの方の発言だそうで、その経営者の方が発言内容を勘違いしただけなのかもしれませんが、勘違いさせるような説明をするのもいかがなものなのかと思ってしまいました。
ここで重要なのは説明云々ではなく、連帯保証債務は残るということです。
今でこそ、第三者保証はNGとなり、ここから連帯保証債務が引継がれていくことは無くなりましたが、以前は農業系金融機関の借入において第三者保証人をつけていたため、相続において結果7人まで連帯保証人が増えていた事例にも遭遇しました。
経営者の方の個人資産が全て事業用資産&自社株式のみで、相続人も後継者のご子息だけであれば、事業継続する前提では取り立てて問題は起きないのですがお子様が複数いる場合、また個人事業で行っている場合は連帯保証債務について事前に対応を決めておく必要があります。
相続人間で連帯保証債務に関しての共通認識を持ったうえで個人でお持ちのそれぞれの資産について
そのままで良いのか、
事前に法人に受け継いだ方が良いのか?
後継者以外に事前に渡しておいた方がよいのか?
後継者に相続で渡すのか、事前に贈与・譲渡しておくのか?
相続の手法として限定承認するならどこまで?
相続放棄するなら誰までしないといけないのか?
計画的に実施を検討することで、移転コストとリスクを少なくすることが可能なのです。
そしてコロナ融資で債務過多になってしまっている企業においては特に注意してください。
借りた金は返す、これは当たり前のことです。ただ当たり前を行うには正しい順番があるはずです。
その順番を間違えて借りた金を返していけば、不幸になる方が増える結果にもなり得ません。
相続と事業承継。。。1日だけでも、半日だけでも構いません。
一度立ち止まって考える時間を強制的につくってみましょう。
その時間が5年~10年に渡ってあなたのためになるのです。
今回の情報がお役に立てれば幸いです。
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