「真摯さ」と「熱意」

倒産状態の会社から再生を目指すのであれば利害関係者との協力関係・支援体制は必須となる。

今回、事例として上げる2社は利害関係者への対応策の違いである。
どちらが良い悪いでは無く、どの様にあるべきかの心構えを考えさせられた事例である。

O社はサービス業会社。2社の消費税を滞納した事から税務署へ納税相談。
もう一方のB社は製造業。こちらも消費税を滞納した事による納付相談。
O社の納税相談は資金繰り表も持参して交渉に臨み、中間含めて来年6月までの分割をお願いし交渉がまとまりかけた時、差押、差押と連呼される事に対しての言葉の重み、言う態度について言及し、口論となり署長を呼べとの発言で署内にて大声をだす。
その後、徴収課統括官を連れてきて、再度、担当の言質に対して納得できない不満を吐き出す。
上司の対応は紳士的で内容も筋が通っており、社長も上司からの指導の徹底を要求。
先方受諾。
一方、B社の納税相談でも納付計画持参で交渉にあたり、来年6月までの納付延長をほぼ快諾する正にその瞬間、経営者より『6月最終月』に納付が困難な場合は支払の再延期は可能か?との質問に対して担当職員が激怒!!!
今から納付できない事を前提とした分納相談であれば今まで話してきた事は無かった事にして一括で払ってもらうと言われる始末。
その後、誤解を招く発言であったと説明し、事無きを得たが後味の悪い交渉となった。

経営者として最悪も想定し物事を考えていくのは、当然と言えるかもしれないが、今まさに起きている現象・問題に対して真正面から向き合う姿勢が利害関係者を動かし再生への第一歩となる事を教えてくれる瞬間であった。

『真摯さ』・『熱意』これこそが再生の重要なキーワードになる事は間違いない。


「奥田 雄二の再生奮闘日記」の過去記事をご覧になりたい方は
  ↓ ↓ ↓
 奥田 雄二の再生奮闘日記:目次


お問い合わせ