ある会社の1コマ <大手メーカーとの取引>

M社はプラスチック成形メーカーとして大手メーカーを含め受注を行っていたが受注の減少に伴い、新規事業の模索していました。

環境対応型塗料の開発を行っている会社と共同にて新規塗料の販売を行うこととなり、M社では新規塗料の性能試験・データー・施工方法を確立し、代理店経由に販売を開始。
その中で、以前よりPRを行っていた大手企業X社より、代理店契約を行い、全国展開を行いたいとの要望があり、早速契約を進めることとなったのです。
X社だけに各データーの確立・施工方法の明確化等詳細な対応が求められ、対応を行い、契約を交わすこととなりました。

X社は、新規塗料のデーターを独自に判断を行い、機能的に優れるという理由で、新規事業として取り組む事を決めました。

当初は、開発を含め各支店から問い合わせ受注が舞い込んできたのですが、徐々に計画との隔離が出始めます。

M社も何度となく足を運び、同行営業・営業資料の確立等の援助を行いました。

しかし、ある日X社より契約の解除を行いたいとの連絡があり、M社としてはすぐに出向いていって内容の確認を行いました。
契約解除の理由は、M社だけの商品でなく客先要望もあり、他社の商品も販売したいため、現状の契約があると対応が出来ないということで、今回の処置となったということでした。

M社がX社と契約締結する際には、異例の社長・副社長・常務まで出席して調印を行っており、先方の説明に納得が出来ませんでした。
M社としては、情報を収集するとともに契約途中解約による違約金の交渉に入りました。

X社は、担当部長が窓口となり、違約金交渉については役員会の了承を得なければならないので、違約金についての詳細資料が必要となるため、事あるごとに組織なので了解を得るのに時間が必要だと伸ばし伸ばしになっていました。
6ヶ月が経過しM社は資金繰りに苦慮するようになり、責任部長に今月末までに違約金の入金が無いと当社は倒産するとの訴えたところ、X社の動きは大幅に変わり、月末入金となり、M社は倒産の危機を回避しました。

・問題点は、
「大企業だから大丈夫。担当者が売上目標を教えてくれました」
この言葉を信じてフォロー不足の状況だった点、
何度か危険信号があったと思われるが気付かなかった点、などです。

また、社内派閥もあり、拡大派と消極派がぶつかり、社内闘争が起こったのが原因としてあげられます。

真の情報を得る事が大切で、大企業だからと安心してはいけないのです。