「利害関係者との関係」

倒産状態の会社から再生を目指すのであれば利害関係者との協力関係・支援体制は必須となる。
今回は今一度、基本に戻って緊急時の資金繰りを繋げていくにはどこから、何を、どの様に行っていけばいいかおさらいしたい。

企業の中で利害関係者への支払を分類してみると、仕入業者、諸経費、銀行、税金・社会保険料、給与の5つに分類できるであろう。
入金見込が全く無いという前提で考えると支払を待ってもらうべき優先順位はどの様になるであろうか?

1番最初に支援してもらうのは銀行である。
これは金融債権と事業債権の違いと言う事もあるが、昨今の金融円滑化法案で金融機関へのリスケジュールが認知され容易になった事から真っ先に思いつくであろう。
但し、リスケジュールしている期間中、新規借入は原則できないので要注意!!

2番目に支援してもらうのはどこか?
金額の大きさから仕入業者と言いたい所だが税金・社会保険料である。
14%の延滞税はかかるが社外へ信用不安が知れ渡る事が無いというメリットがある。
但し、社会保険料を徴収する年金事務所は2010年より民営化しており、外部より債権回収知識をもった者を多く採用して、徴収率を上げているので、分納交渉は慎重にかつ大胆に行うようにして頂きたい。

3番目は仕入業者と言いたい所だが、諸経費である。
経費自体細かいものの積み重ねで数が増えてしまうが、塵も積もれば何とやら・・・。
その効果は馬鹿にならない。
リース料・割賦払い・ローンのリスケジュールもこの段階に入る。

ここまで来ても資金繰りを繋げる事が出来なければ、いよいよ仕入業者に支援を要請するしかない。と言う事で4番目は仕入業者である。
しかし、相手も生活がかかっている事があり、尚且つ長引く不況で体力がある企業が限られてくるため、交渉は難航する事が多い。
資金繰り表・経営改善計画書を出来れば持参して、納得のいく形で支援していただくのが事業継続への道筋である。

最終手段が給与である。

P・ドラッカーの言葉『人は最大の資産である』という言葉にある様に給与遅配が組織・企業に与える影響は計り知れない。
組織が機能不全に陥れば成果など到底上げる事が出来ず、破綻への道筋が加速する。

そうならない為にも最終手段を使わざるを得ないような時は、経営者の心からの謝罪と会社への想い・社員への想いを全社員へ伝えて一致団結の中で難局を乗り切って頂きたい。


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