『 銀行から「金利を上げます」と言われてからでは遅い ― 借入金の多い企業ほど、今すぐ確認すべきこと ― 』 -2026年09月09日号

私は普段コンサルタントとして顧問先の対応を、時には相談員として経営者の皆様のご相談を受けております。

最近、経営者の皆様から次の様なお話を頻繁に聞くようになりました。

それは最近、金融機関から 「次回の更新から金利を見直したい」 「借換え時の金利条件が変わります」 というお話です。

金利上昇の時代への転換

長く続いた低金利の時代は、すでに転換しています。

日本銀行の統計でも、国内銀行の新規貸出金利は上昇しており、企業にとって「借入コスト」は確実に重くなっています。

ここで注意していただきたいのは、 銀行から金利引き上げを提示されてから、慌てて対策を考えるのでは遅いということです。

金利1%の差が、年間100万円になることも

たとえば、借入残高が1億円ある会社の場合、

  • 金利が0.5%上昇すれば、年間約50万円。
  • 金利が1.0%上昇すれば、年間約100万円。

支払利息が増加する計算です。

年間100万円と聞くと、 「それくらいなら何とかなる」 と思う経営者の方もいるかもしれません。

しかし、この100万円は何か新しい設備を買ったわけでも、人を採用したわけでもありません。

売上を1円も生まないまま、会社から出ていくお金です。

仮に利益率10%の会社なら、100万円の利益を新たに確保するには、単純計算で1,000万円の売上増加が必要になります。

金利上昇を軽く考えてはいけません。

今の企業は「金利だけ」を負担しているわけではありません

現在、多くの中小企業は、

  • 原材料価格の上昇
  • 電気代、燃料費の上昇
  • 人件費の増加
  • 最低賃金の引き上げ
  • 社会保険料負担の増加
  • 人手不足
  • 価格転嫁の遅れ
  • コロナ融資等の返済負担

といった複数のコスト上昇に直面しています。

そこに、 借入金利の上昇が加わります。

利益が少しずつ削られ、手元資金も少しずつ減っていく。

それでも毎月の返済は止まりません。

こうして気づかないうちに、資金繰りは悪化していきます。

「まだ返済できている」は安心材料ではありません

資金繰りが悪くなる会社には、共通する流れがあります。

  1. 最初は、「以前より現預金が増えなくなった」という程度です。
  2. 次に、「賞与、税金、大きな仕入れの時期が少し苦しい」となります。
  3. その後、「短期借入や追加融資がないと資金が回らない」状態になっていきます。
  4. そして最終的には、「借りたお金で借入を返す」ようになります。

ここまで来ると、金融機関との交渉でも選択肢は大きく減ります。

だからこそ、 苦しくなる前に動くことが重要なのです。

銀行から金利引き上げを言われる前に確認してください

まず、自社の借入金を一覧にしてください。

確認するのは、

  • ① 金融機関ごとの借入残高
  • ② 現在の金利
  • ③ 固定金利か変動金利か
  • ④ 毎月の元金返済額
  • ⑤ 最終返済期限
  • ⑥ 保証協会付きかプロパー融資か
  • ⑦ 今後3年間の返済予定額

です。

さらに、

  • 金利が0.25%上がったらどうなるのか。
  • 0.50%ならどうなるのか。
  • 1.00%ならどうなるのか。

年間の支払利息を試算してください。

その上で、 本業で生み出すキャッシュで、元金返済と利息を本当に賄えるのか を確認することが必要です。

金利交渉だけでは不十分です

金利上昇局面で検討するべきなのは、単純な「金利の値下げ交渉」だけではありません。

場合によっては、

  • 借換えによる返済条件の見直し
  • 返済期間の延長
  • 固定金利と変動金利の組み合わせ変更
  • 複数金融機関の借入バランスの整理
  • 短期借入と長期借入の見直し
  • 運転資金の確保
  • 不要な借入や過大返済の整理

まで考える必要があります。

重要なのは、 金利だけを見るのではなく、会社全体の借入構造を見ることです。

銀行は「会社の資金繰り」を守ってくれるわけではありません

金融機関は重要な取引先です。

しかし、最終的に会社の資金繰りを守る責任があるのは、経営者自身です。

銀行から提示された条件をそのまま受け入れる前に、 「この条件で本当に返済を続けられるのか」を一度考える必要があります。

金利上昇局面では、 これまで問題のなかった借入条件が、数年後には会社の大きな負担になる可能性があります。

一番危険なのは「もう少し様子を見よう」です

会社にまだ預金がある。

銀行から融資も受けられている。

毎月の返済もできている。

だから大丈夫。

そう思っている時期こそ、見直しのタイミングです。

資金がなくなってからでは、

  • 借換えも、
  • 追加融資も、
  • 返済条件の変更も、

選べる方法が限られてきます。

一方、まだ資金に余裕がある段階なら、複数の方法を比較しながら対策を考えることができます。

もし現在、

  • 「銀行から金利引き上げの話が出ている」
  • 「借入金が多く、この先が不安」
  • 「返済してもなかなか預金が増えない」
  • 「借換えをした方がよいのか分からない」
  • 「今の返済額が適正なのか判断できない」
  • 「銀行へ相談する前に第三者の意見を聞きたい」

ということがあれば、そのままにしないでください。

どんな些細なことでも構いません。

銀行から条件変更を提示されてから考えるのではなく、提示される前に準備しておく。

これからの金利上昇局面では、それが企業の資金繰りを守る大きなポイントになります。

「まだ大丈夫」と思っている今こそ、一度ご相談ください。

『本当にどんな些細な事でも相談して欲しいと・・・まずは私に一本の連絡!』 ・・・そして正しい方向性をひとつづつ一緒に導き出していきませんか?

実際に現場でおきた話

実際に現場でおきた話をさせていただきます。

先日、顧問先の経営者の方から金融機関様に連絡をして欲しいと連絡があり連絡をした際の実際のやり取りです。

リスケ中の企業様で分配額の見直し時期が到来するのでどうするかのやり取りの実際のお話です。

6ヵ月前に現状キャッシュフローがない状態であり、毎月の元金返済を0円にして欲しいと相談した先です。決算申告が終了し実際にキャッシュフローはありません。

しかしその金融機関様は社長から今後は売上も増加していると聞いている、現状元金返済額からの減額は認めないとの事・・・

私は何が言いたいのか?と申しますと 経営者の中には中々うまく話せない、金融機関様から言われれば応じなければならないと思っている方は意外と多くうまく本音を伝えられない方が実際にいるという事です。だから今回の様な事が起きたのです。

私は金融機関様に現状キャッシュフローがない状態で資金繰りも厳しい事を説明し、返済を止めたいならその旨を事業計画で説明して欲しいと・・・

事業計画の必要性はわかるのですが、ただ事業計画の作成期間が問題なのです。

なんと金融機関様から言われた期間は約1週間。私は計画の策定には時間が必要であると伝えたところ、では2週間でと一言。

事業計画をなめているの?と正直思いましたが、これが金融機関の担当者のレベルかと思えば納得! だから本来求められている企業様へのコンサルティング能力がないのかと思いました。

だからこそ私たちが存在しているのです。

私は少しでも皆様のお役に立ちたいと思っています。

以上

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