『経営者保証ガイドライン対応保証制度』

2月も終盤を迎え、インフルエンザが猛威を振るい、冬将軍が最後の抵抗をしてきている。
消費税UP前の駆け込み需要は需要の先食いでしかなく売上は確保できても粗利を削る事が多く、結果として利益確保まで至っていないが駆け込みを確保できなければこの先より一層の厳しさが来るため、受注を取らざる得ない状況というのもまた事実である。

『経営者保証ガイドライン対応保証制度』

2月14日のニッキン1面に経営者保証に関するガイドラインに関して全国52信用保証協会で新制度が出来たと発表があった。

2月1日から取扱いを開始して、保証制度名は
『経営者保証ガイドライン対象保証制度』
経営者保証によらない融資で信用保証協会を活用する事を主眼に制定された。

条件面は
経営者保証に関するガイドラインを示す
・法人と経営者個人の資産・経理が明確に分離
・法人からの適時適切な財務情報の提供
・法人のみの試算・収益力で借入の返済が可能
など4項目で
保証限度額は個別保証で2億8,000万まで可能既存の保証協会付融資でも限度額内であれば適用するといった内容である

特徴としては安易なモラルハザードを防ぐという意味も含めて制度利用金融機関が保証付融資とは別に保証額の6割以上をプロパーで融資する必要がある点。これによりこの制度を活用した融資に関しては信用保証協会の保証割合が実質50%以下になる。

例えば
経営者保証ガイドライン対象保証制度を使った融資で保証協会が1,000万融資したとすると制度利用金融機関としては、保証協会融資とは別に600万以上プロパー融資が必要となる。

その際、600万のプロパー融資があったと仮定すると保証協会
保証割合は
1000万×80%(責任共有制度保証割合)=800万
 600万× 0%(プロパー融資)    =  0万
で合計800万となり、
今回の制度利用に関する融資総額1,600万に対する割合は
800万÷1,600万=50%となる。
プロパー融資割合が6割を超えれば、その分保証協会保証割合は低下する事になり、50%を超える事は無い。

経営者保証ガイドライン対象保証制度利用後は、制度利用金融機関が定期的に対象企業より情報を取得し、資格要件を満たしているか、信用保証協会に年1回報告義務を負い、要件が欠ければ、経営者保証を求めていくかどうか信用保証協会と協議をしていくといった内容です。

経営者保証ガイドライン対象保証制度については要件を満たす企業で訳あって直系親族の後継者がおらず連帯保証がネックとなり事業承継が上手く進んでいない企業や経営者保証をしない会社を目指している経営者においては、選択肢の一つとして活用可能なのではないでしょうか?

しかしながら、経営者保証が無くなるという意味で金融機関の保全が減りますのでその分での金利上昇・融資枠の減少は覚悟しなければ本制度利用は難しくなる事も想定しておかねばなりません。

今すぐに活用できない企業でもメインバンクに自社の場合、どの様な状態になったら本制度の適用が可能となるのか、聞いてみる事でメインバンクの自社に対する融資スタンスを確認する事が出来ますので、一度確認される事をお勧めします。

奥田 雄二

 


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