▼Q.83 愛知県の方からのご相談です。「来期から、人事評価・賃金制度を導入したいと考えています。外部専門家に、その設計をお願いしていますが、どんなことに気を付ければ、よいでしょうか?」 (メールによるご相談事例)
▼A.83
人事評価・賃金制度というのは、会社の根幹の部分です。評価の仕組みや賃金設計のやり方を外部専門家に聞くというのは良いことですが、制度そのものの作成を依頼するというのは、お勧めしません。根幹部分は、やはり社内でおこなう必要がございます。
まずは社内で、求める社員像を具体的にしてあげることが大切です。そうすることで、社員側は、どうすれば評価されるのか、が明確になっていきます。例えば、評価項目として、勤務態度・能力・会社方針達成といった大項目に分けて、それらを、より具体化するために、会社独自の中項目・小項目にわけて、それぞれにポイントを付し、賃金テーブルを示してあげることで、社員側が、「自分は今、賃金テーブルのどの位置にいるのか」、「どうすれば、より上の等級・号棒に進めるのか」、をわかるようにしてあげます。
上場企業で使用している雛形的な評価項目ではなく、各会社の独自性のある評価項目を設定することが、中小企業にとって大切です(他社と同じことをやっていても差別化できませんので)。
また、昇給にしても、賞与支給にして、原資がなければできません。手元資金が潤沢な会社であれば、赤字が出ても昇給や賞与支給は可能でしょうが、手元資金が潤沢でない会社であれば、やはり利益や手元資金を見ながら、総支給額を決めて、その中で分配することになります。経営者からすると、払ってやりたい、という気持ちがあるのはわかりますが、ないものは払えません。そのために、大項目に業績達成といったものが必要になります。
それと、社員側と定期的に面談することをお勧めします。半年ごと・1年ごとでも結構です。昇給・賞与支給のタイミングで面談されると良いでしょう。その面談時に、自己評価と会社側の評価を比較し、認識の統一を図るとともに、「あと、これをすれば、より上の号棒・等級にいけた」、というのを示してあげてください。コミュニケーションを図るとともに、モチベーションのアップにもつながります。
こうした流れを繰り返すことで、制度が社内に定着していきます。何度も修正して、御社の独自性のあるユニークな制度を作り上げていってください。
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