『 不動産競売 』 -2014年09月10日号
今回は不動産競売についてお話しさせていただきます。
不動産競売とは、民事執行法(強制執行、担保権の実行としての競売、換価のための競売、債務者の財産開示に関する手続きについて規定した日本の法律)に基づき、債権回収のために、債務者が裁判所に対して申立てを行うと、その不動産を裁判所が売却する手続きの事です。
この不動産競売には、強制競売と担保不動産競売があり一般に併せて不動産競売と呼んでおります。
- 不動産競売の種類
『強制競売』
債権者が、公正証書・判決等の債務名義に基づき、債務者又は保証人の所有する不動産に対して当該不動産を管轄する地方裁判所に対して強制競売を申し立てる事ができます。
地方裁判所では強制競売の申立てを受理すると、『平成〇〇年(ヌ)第〇〇号』事件との事件番号を付して強制競売を進めます。
この場合、債務者の意志は反映されずに裁判所の命令で手続きが進むため、強制競売と呼ばれます。
『担保不動産競売』
債権者が、債務者・物上保証人から抵当権・根抵当権の設定を受けた担保権者である場合に、抵当権・根抵当権の実行として、当該不動産を管轄する地方裁判所に対して担保不動産競売を申し立てることができます。
地方裁判所では担保不動産競売の申立を受理すると、『平成〇〇年(ケ)第〇〇号』事件との事件番号を付して担保不動産競売を進めます。原則として、強制競売の規定が準用される事になります。
住宅ローン、クレジットカード、消費者金融などの返済が滞り、貸金業者が不動産の強制競売を行うケースが多く見受けられます。 - 不動産競売のデメリットについて
- 金銭面で市場の価格よりも2割~3割値段が安くなります。よって住宅ローン等の債務額を下回る事が大半である。
- 競売手続をしても、残債が残れば返済する義務が残ります。
- 物件が競売に出る事で信用不安等を招く可能性があります。
- 引越費用等の捻出が必要。
- 連帯保証人をつけている場合、競売になれば連帯保証人もローンの残額を請求されます。支払できない場合は連帯保証人の不動産が競売にかかる可能性があります。
- 立ち退く必要があります。
- 不動産競売の手続きの流れについて
- 競売申立
↓ - 開始決定・差押の嘱託登記
↓ - 裁判所から執行官への現況調査命令及びそれに基づく執行官の現況
調査報告書の提出
↓ - 裁判所から評価人の評価命令及び評価書の提出
↓ - 裁判所の配当要求終期の決定及び債権届出書の催告と債務者の債権
届出と配当要求
↓ - 裁判所の物件明細書の作成
↓ - 最低売却価格の決定
↓ - 不動産売却方法等の公告(新聞等に掲載されます。)
↓ - 開札期日
↓ - 最高価買受申出人に対する売却許可決定
↓ - 買受人の代金納付と所有権移転登記の嘱託
↓ - 配当期日の弁済期日の呼び出しと債権計算書の提出の催告
↓ - 配当期日または弁済期日
- 競売申立
- 不動産競売を回避するためには
- 債権者の同意を得て任意で売却する方法があります。
- 任意売却のメリットは
- 競売よりも高い価格で売却できる可能性があります。
- 任意売却の場合は、債権者の同意を得れば、必要経費(引越費用)を売却代金より充当する事が可能です。
- 残った残債について、その後の返済計画を相談する事が可能です。
- プライバシーの保護、信用不安回避が可能です。
今回は不動産競売についてお話をさせていただきましたが、実際に競売を既に言われている方がみえましたら、直ぐに専門家に相談する事をお薦めします。競売と任意売却は大きく違いますので選択を間違えないで下さい。
以 上
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