融資担当者 vs AI審査

AIによる審査をする、となれば大量のデータを瞬時に分析できる
人間には不可能な武器をもっており、
「現在の」大半の融資担当者よりはるかに優秀なのでは、
というポテンシャルがあります。

昨年、ジャパンネット銀行によるAI審査融資のニュースが
流れましたが、日本経済新聞記事(4/13付)によると

「横浜銀行や千葉銀行など地方銀行・グループ4社は、2018年から、
 人工知能(AI)を活用した融資をはじめる」

システムは中小企業向け会計ソフト大手の弥生が開発、
山口フィナンシャルグループや福岡銀行も採用するとのこと。

◆審査の仕組みは基本同じ、中身は違う

会計情報から審査をする、という点では同じこととは言え、
これまでの決算書や試算表といった「結果の数値」を元に
審査するものとは大きく異なり、

・会計ソフト「弥生」の仕分けデータ、つまりは総勘定元帳
・取引先との決済情報、つまりは預金の入出金明細や通帳データ

を2~3年分に渡り分析、
「継続的な売上先・売上高の存在」
「使途不明金などを差引いた評価」
を行うことで融資の可否や条件を決めていくものになると思われます。

仕分けデータや入出金データといった、
プロセスのデータに至るまで瞬時に判断されるわけです。
最近流行りの言葉でいうなら「ビッグデータの活用」
というものですね。

◆指標に頼った判断をするなら、人に勝ち目はない

決算書などの「結果」のみなら
一つ一つのプロセスから評価・判断でき
計算に間違いがないAIは、数的な指標を根拠とする審査を
する限り、人に勝ち目はありません。

銀行員も「人の価値」が問われることになりました。

◆企業対応は

銀行員にとっても大変な流れですが、企業にとっても
他人事とばかりはできません。

会計仕分けや出入金データも評価される以上、普段の会計処理や
資金の移動にも適正さや妥当性が問われるのです。
会計操作や粉飾は、ほぼ見破られることになるでしょう。

これまでの融資ノウハウが、塗り変わる日がいよいよ来ました。

 


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