『 愛知県での承継事例 個人での株式取得の資金調達 』 -2020年11月18日号
最近、承継事案のご相談が増えています。
そのうち、後継候補者がお子様やご親族でない事案も、多々あります。
こうした親族外での承継の場合は、株価を基準として、譲渡金額を決めることが一般的です。
完全な第三者でなく、社内の取締役や従業員といった方たちの場合ですと、純資産価額を基準とした時価相当で譲渡することが多く、のれんといったプレミアムを付すことは、あまりないようです。
(現株式所有者からすると、ある程度の譲渡代金は望むものの、譲渡による大きな利益を儲けたいということではなく、身近な信頼のおける者に会社を託したい、という想いが強い ように思います)
そうは言いましても、株価によっては、金額が大きくなることがあります。
取締役や従業員という個人でのお立場からすると、結構な金額であり、どうやって資金の準備をすればよいのか、承継においてのハードルの一つになります。
そこで資金調達のニーズが生まれます。
手法によっては次のようなものがあります。
一つ目は、民間の金融機関からの資金調達です。
今、会社でお付き合いのある金融機関で対応してくれれば、一番、スムーズにいくかと思います。
ただし、金融機関によって温度差があります。
担保を求めてくるところ、借入期間が短いもの、会社の保証のみでよいところ、いろいろと異なる条件が付いてきます。
今後の会社としての取引もありますが、実際に借入するのは個人ですので、無理のない条件で借入する必要があります。
二つ目は、政府系の金融機関による資金調達です。
民間金融機関より温度差はありません。
ただ、民間金融の補完的な位置付けという政府系金融機関の立場もあるようなので、民間金融機関への配慮が必要となります。
三つ目には、各都道府県と信用保証協会とによる制度活用による資金調達です。
各都道府県では信用保証協会による保証承諾を基に支援をしてくれます。
ただし、手続き面でのハードルは高いです。
相当な準備と、相当な期間が掛かることを前提に取り組まねばなりません。
また、個人での資金調達が現実的な規模ではない場合は、SPC(特別目的会社)という別会社を設立し、そこでの資金調達することもできますが、現所有者の株式譲渡における課税方法が変わってくる影響もありますので、それによる現所有者の税引き後の手取り金額についても、予め、シミュレーションしておく必要があります。
会社を引き継ぐという覚悟と、それを可能にする手法が相まって、承継という一大イベントに取り組むことになります。
どんなことでも結構ですので、ご相談がございましたら、ご連絡くださいませ。お待ちしております。
この度の情報が、ご参考になれば幸いです。
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