『 試算表の作り方 』 -2021年07月21日号
みなさま、毎月の試算表は作成されていますか?
未だに3ヶ月や半年に一度ということはないですよね?
意図的にそうされていて、それでも自社の事業構造上、この数値を押さえているから問題無いという方はそれでOKです。今回のメルマガは流し読み程度にしてください。
それ以外の方には必要ですので、最後までお付き合いください。
試算表は、税理士先生が決算書を組むための必要な資料ではありません。自社の経営状況が一目で分かるものにする必要があります。税法上だからこう、会計上だからこう、という概念をまず捨ててください
その上でまず最初に試算表の目的をまずハッキリさせましょう。
何のために作るのか? 儲けの把握? どこの儲けの把握?
いつ把握したい? 事業運営上、重要視する科目は?
決めた目的がこれまでの税法会計ルールと違っても構いません。
極論言えば税法・会計というものには決算時点で税理士先生に決算仕訳で修正してもらえればOKです。
事業実態を掴む、それもスピーディーにというのが、大事です。
その為には前回お伝えした勘定科目の使い方は当然ですので、事業構造を変更費・戦略固定費・経常固定費に分解して、みえる形にしてみてください。
製造業・建設業など、製造原価項目がある事業でも上記3つに分解して組み立てればOKです。その方がシンプルで理解しやすくなります。
ただそれでは原価をどう把握するのということになるのですが、個別原価計算・標準原価・差異分析は専用の生産原価管理システムからアウトプット出来るようにしておけば何ら問題無いはずです。そもそもの試算表の作成目的は個別原価の把握では無いでしょうから。
また納期については翌月10日までに試算表を完成するのが目標でしょうね。鮮度が落ちると試算表も腐ってしまいます。
食べれなくは無いですが、経営判断が遅れる分、方向転換・軽微変更も遅くなり、旨味が落ちます。
翌月10日までなんで出来る訳ないという話を現場からは聞きます。
あくまでもこれまでの延長線上で試算表作成を行えばの前提です。
現状変更をしたくない現場からの主張では当然なのですが、入力の方法、請求書の送付時期など、どの様にすれば、出来るのかを見直せば10日に完成させることは容易に出来ます。
その際に大事なのは正確性を求め過ぎないことです。
試算表はスピード重視であることから、全て発生主義の考えにはしないことです。ある程度丸くなればOKとの考えをもってください。ただ、こだわるところは粗利です。
粗利は全体数値であっても、月の正確な数値は把握できる体制を整えるのが良いでしょう。営業からの受注・売上情報、倉庫からの発送・納品情報、仕入先からの発注・納品情報など粗利を正確に算出するためにどのフローを見直すべきか、どの部分をシステム化する必要があるのか検討してみてください。
正確な粗利が把握できることで大凡の損益は把握できます。
それをスピーディーに試算表に反映することで、イメージと合っているか経営者が把握でき、投資か据置か撤退か、次の判断がし易くなり、試算表が活きた形として活用ができます。
ここで一度立ち止まり、自社の試算表を見てみてください。
パッと見、良く分からないなと思ったら、今回のことを参考にして活きた試算表に変えることをお勧めします。
そうするともっと良くなるヒントがいっぱい見つかります。
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